先日、福岡まで行ってきた。

 

 ソフトバンク―西武の3連戦中2試合を観戦・取材。

 肩入れしているわけではないが、いつもよく取材をしている、西武がアウェイ感の中で戦う姿を見られてよかった。

 

 日本はそんなにホームアドバンテージがない国のような気もしたが、野球に関してはやはりあるなぁと。

 

 ソフトバンクが織りなすヤフオクドームの雰囲気は独特で、これにやられるチームもあるのだろう。

 

 さて、試合を今更振り返っても仕方ないが、印象に残っているシーンについてひとつ。

 

 この2日間の一番の注目は、ソフトバンクの柳田悠岐選手が4打席連続本塁打を打つかどうかだった。1戦目の23日の試合で、3打席連続本塁打。次の打席が回らず、記録は翌日に持ち越されたのだが、その第1打席は誰もが注目した。

 

 結果は三振。

 

 記録はならなかったが、あーなるほどなと思った。

 凡打じゃないんだ、三振なんだ、と。

 

 ホームランなので、そう簡単な記録ではないと思う。

 野球はチームスポーツだし、ホームランを狙うだなんていうといろんな人のひんしゅくを買うけれど、柳田は確実に狙っていた。

 

 結局、バッティングで一番何が大事かというと「振る」こと。

 

 柳田はそういうスタイルというのももちろんあるけれど、やっぱり、パ・リーグはちゃんと振っている。記録がストップした打席の成績が「三振」っていうのは、決してたまたまじゃない。

 

 楽天の則本が二桁奪三振の日本記録を樹立したのは記憶に新しい。

 

 6試合がパ・リーグとの試合で記録したものだが、6試合目の時のオリックス戦がすごく印象に残っている。この試合は8回に3三振を喫しなければ記録がストップするなかで迎えての圧巻の記録達成だった。

 

 このときの結果、3三振なんだけど、すべて空振り三振。

 最後の打者・中島宏之が当てに行く様子が全くなく、潔く三振して帰っていった。

 

 この空気がパ・リーグにあり、選手がガンガンバットを振っていき、スケールの大きい選手になっていく。

 

 二けた奪三振は則本がすごいんだが、やっぱり、このリーグに生まれるんだと思う。 野茂英雄さんだってパ・リーグだった、ダルビッシュもしかりだ。

 

 お互いが勝負しているから、その先に、スケールの大きな選手が育まれていくのだろう。

 

 もちろん、セリーグすべてがそうなっていないわけじゃない。

 2015年のヤクルトはまさにそうだったし、今でいえば、DeNAも、マンぶりを厭わない。

 

 これはラミレス監督の方針がそうさせているのだろう。

 

 昨日の試合では3本塁打。

 梶谷、筒香、宮崎。

 

 「あの打席は強く打ちに行った」

 

 セ・リーグの風土がそうだからか、主将は控えめなコメントを「囲み取材では」残していたが、みんなマンぶり。それでいいと思う。

 

 スケールの大きい選手に育っているかどうか。

 これが大事なのだろう。