髪は女の命。

とはいうものの、若い頃から白髪も豊富。
染めるからお金も普通の人より倍かかる・・・。
トリートメントにかけるお金もなく、バッサバサでした。

紫外線やカラーリングをすることにより、ツヤもなくなりきしんでいく一方の私の髪。
悩みでした。

ずっと悩んでいた、つげ櫛。
調べていくうちに、一人の職人さんに行き着きました。

さいたま市大宮区在住のつげ職人『廣島政夫』さん。

私の救世主になるかもしれない!という思いで、二週間前に廣島親方に連絡を取り、本日行ってまいりました。

思いのほか道路が空いていて午前中に到着・・・。
「午後からいらしてください」というお言葉を頂戴していたにもかかわらず、どうやって時間をつぶしていいか分からず、親方に電話をさせていただきました。

「仕方ない。今からいらっしゃい」というお言葉を頂き、図々しくもお邪魔してきました。

平屋の普通の民家です。

「よくいらっしゃいました。」
お約束の時間よりもはるかに早い訪問にもかかわらず、温かく迎えてくださいましたよ。

「まずはこの櫛で髪を梳いてごらんなさい」
目の前に出された櫛は、目の粗い民芸品でよく見るもの。

これ・・・?この程度だっけ・・・?
と心配するも、梳いてみる。
うーん・・・首を傾げているそばから、「じゃ、次にこれ!」と出されたもの!!!

ドキドキドキドキドキドキ

す・・・すっごい!!!
目が細かすぎて、一枚の木に見える!!

国宝級!1本100万円です!!!!!!
それを惜しみなく「いいから梳いてごらんなさい。壊れても平気だから」というお言葉。

スルスル~と髪を通り抜ける櫛。

その後、様々な櫛を見せていただき、ひたすら梳いてまいりました。

こうなると訳が分からなくなる・・・。

「親方!もう訳が分かりません!!」という私に、笑顔で微笑みながら「どれが一番しっくりした?」と。
「これ!!これです!」
という、国宝級の100万の櫛・・・。
買えるわけがない。

散々悩み、一本の櫛を購入させていただきました。

$粉あそび

平安復元櫛1cmに12本の歯です。

手に馴染む携帯用の櫛です。
大き目の櫛を買おうかとも思っていたのですが、私の手には小さい櫛がしっくり来たニコニコ

実は、この櫛。
お嫁入りするのは私が初ということです。
親方が初めて挑戦した櫛を私がいただくという非常に光栄なことになったのです。

$粉あそび


100年は持つといわれている廣島親方の櫛。

どうやって作っていくのか、工程などを写真を見せていただきながらお話をさせていただきました。

親方の命を削って作っている櫛。
私は親方の命の一部を買ったのだ。という責任に近いものを背負った気がしました。

今はインターネットで何でも買える時代。便利です。
でも、物を作る人から直接お話を伺い、自分の体で体験し、納得したものをいただく。
こういう買い方がまだこの日本にも残っていたのだ。という感慨深い思い。

とてもいい経験をし、一生ものを手に入れることができました。

決して安い買い物ではないけれど、本当に納得して手に入れた櫛。
一生の宝として、大切に大切に使い続けます。

コツコツお金を貯めて、もっと細かい歯の櫛を買いに行く!と親方にお約束しました。
「俺、死ねないなぁ~」と笑いながら仰る親方。

最後は握手してご自宅を後にしました。

今日は本当にいい時間を過ごせました。

親方!本当にありがとうございました!!!