Magic Circle " The Jokers " -201ページ目

何故

友人の彼女(仮にA子とする)はとても霊感の強い人で、その友達(B子)がA子の家へ遊びに来ていた。

夕方になり、B子は自分の家へ帰る事にした。

帰りは「駅まで送る」とA子が言ったので、二人で線路横の道を歩いて行く事にした。

すると前の方から男性が一人歩いてきた。

A子はB子に「前から男の人が来るよね?」と尋ねると、「うん、来るけど何か?」とB子は答えた。

A子の表情がみるみる強張る。

A子はもう一度聞いてみた。
「黒いカバン持ってるあの男の人だよ。見えるよね?」

B子は「あんたさあ、普段 霊の話ばっかしてるから、また怖がらそうと思ってそう言ってるんでしょ?大丈夫よ、霊感のない私にもはっきり見えてるんだから!」と改めて答えた。

だんだん男性は近づいてくる。

A子は線路側、B子はその隣。
男性とすれ違うのはB子の方だった。
すれ違いざま、男はそれまで下を向いて歩いていたのに、ふっと顔を上げB子の顔を睨んでこう言った。

「なんで、わかったんだ…」

その後、すっと姿を無くし消えてしまった。

B子は失神してしまったらしい。

お別れ

中一の時、小学校からの友人を一人亡くしている。
電車に跳ねられて死んでしまった。

次の日、臨時の集会が体育館で行われた。

校長先生が説明する中、何人もの人が涙を流し泣いた。

暫くすると、三年女子が急にザワザワと騒ぎ始め、悲鳴にも近い声で叫んだ。

その時は何の事か解らなかったが、次の授業の時間に謎は解けた。
担当の先生が、先程叫んでいた三年女子の担任だったからだ。

一人の女子がふと高い位置にある窓を見上げると、死んでしまった彼が白い着物を着て、こちら側を覗いていたそうだ。

隣りの子に伝えると、その子も確認が出来て、どんどん伝わっていき、何人もの人がその姿を見たという。

最後のお別れ…

私もしたかった。

握り締める手

18歳の時、中学の時の同級生を事故で失ってしまい、友人と通夜に駆け付けた時の事だ。

泣きながら妹の死を悲しむお姉さんの話を二人で聞いていた。
「結婚が決まっていたのよ、あの子…」

とても悲しかった。

私も友人も正座をしていたのだが、途中で小刻みに震える友人の事が気になり始めた。
『泣いているのか?脚が痺れたのか?』などと考えつつ、帰る事にした。

外へ出てから、友人に尋ねた。
「さっき、震えてたけどどうしたの?」

友人は真っ青な顔で答えた。
「あいつが隣りに座ってて、ずっと俺の方を見ながら、手を握り締めてたんだよ!」

そういえば、友人とあの子は中学の時、付き合ってたっけ…