1. 手、つなぐのは嫌だった? | 君がために奏でる詩

君がために奏でる詩

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すぐに顔を赤く染める彼女は、


とてもとても恥ずかしがり屋で。



でもそれは、遠くから見守っていた時には気づかなかったこと。



「ねー、陵! 夕日、綺麗だねー」



真っ赤に染まった空を見上げている未来さんの瞳はキラキラとしていた。


僕にはなかなか見せてくれない表情。


だけど、そんな綺麗な横顔も隣にいるから見れるわけで。


本当に本当に見惚れるくらいに綺麗で、


僕は思わず口から本音が漏れていた。



「未来さんの方が綺麗ですよ」



そう言うと、彼女はまた顔を赤く染めた。


決して夕日のせいなんかではなくて。



「まっまたそんな事言って! 恥ずいからやめてっ!」


「でも本当の事ですから」


「だーかーらっ! …もぉいいっ!」



顔を真っ赤にして否定してくる未来さんが可愛くて。愛しくて。


ついつい顔がほころんでしまう。



怒った様子の未来さんは僕に背を向けて、スタスタと歩いて行ってしまう。


小声でぶつぶつ言ってますけど、ちゃんと聞こえてますよ?



「陵と同じものを見れて嬉しかったのに…」



多分、声に出しているだなんて気づいてないんですよね?


だから僕は聞かなかったふりをした。



でも。


未来さんが僕と同じものを見て、感動を分かち合いたかった、


というのは伝わってきた。


どうして未来さんって、思わず抱きしめたくなるほど可愛いのでしょう?



頬を膨らませながら歩く未来さんを追いかけて、後ろから手を取った。


僕よりも小さくて、柔らかくて、


少し力を入れてしまえば折れてしまいそうな手。


だから宝物を触るように、優しく握った。


    実際、未来さんは宝物ですけどね。



驚いて振り返る未来さん。


その顔はさっきの比ではないくらいに真っ赤になっていて。



「なっなななななに?」


「手を、繋ぐのは嫌…でしたか?」



卑怯な言い方でしたか?


未来さんが嫌がっていない事なんか、分かりきっているのに。



「す、好きにすれば!?」



そう言いながらも、僕の手を握り返してくれて。


だから、僕も未来さんの隣に並んで歩いた。



しばらくして、指を絡めて握り直したら、


未来さんは僕の顔を見てくれなくなって。


ただ耳まで真っ赤にしていて、思わず言ってしまった。



「未来さん、真っ赤になって可愛いですね」


「なっ!? 夕日っ! 夕日のせいだからっ!!」


「夕日も沈んでしまいましたねー」


「いっ、いじわるっ! そういうのは突っ込むなっ」



そう言いながらも、手は決して振りほどかなくて。


手から伝わってくる未来さんの温もりが


不安を吹き飛ばしてくれる。



だから僕はまた自惚れてしまうんだ。



「未来さん、大好きです」



そう伝えると、未来さんの手が少し汗ばんだ。


そして、小さい小さな声で、


「あ、あたしもだよ…」


と答えてくれた。



我慢できなくて、道の往来で抱きしめてしまって。



恥ずかしがり屋の未来さんに叩かれたのは、


最近よくある光景だった。






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INDEX③に記載しましたが、


「確かに恋だった」からお題をいただいてきましたw



初めての陵視点ですねw


未来さん可愛い可愛いvvv で埋まらなくて良かったです(笑)


お題を見ていると、どれも陵視点になりそうなんですよねーっ。


無理だー!



未来視点で書けそうなのは、


「腹黒君にびびる彼女のセリフ5題」とか(´∀`)…


…え? いいかげん原作ぶち壊すな??


すんません…。