おはようございます。
さてさて、色々あってまたブログが放置されてしまいましたが、なんとか復活させようと思います。
実はですね…
ブログを放置している間に
なんとテンナンショウの開花がほとんど終わってしまいましたァァァァァ!!!!!!!!
…無念

というわけでコツコツ撮り貯めたテンナンショウの写真を大公開していきます。

まずはこちら!

ウラシマソウ素心・奈良県産

いやぁこれは素晴らしい素心です
。夜なので本来の色合いが見え辛いですが、外側から内側にかけてのグラデーションが素晴らしい!
開口部もおおきく付属体はまっすぐ上に伸びています!
こちらはどうもまだ市場に流れていないものらしく、発見時から二十数年間も系統保存されていたものだそう。
系統の保存はメチャクチャ大変なので、尊敬します…


ヤマザトマムシグサ類似型カントウマムシグサ秩父地方小型個体群(詳細不明)

こちらは私が秩父地方にて採取したものです。
発見場所には小型の個体しかなく、大型の個体は1つも確認できませんでした。
この場所のカントウマムシグサはヤマザトマムシグサに似た色合いをしています。
これから肥培をして、大型化するかどうかを検証しつつ、同産地2個体を受粉させて系統の維持を図ろうと思います。

近畿地方南部型類似近畿地方型コウライテンナンショウ

非常にややこしくなっておりますコウライテンナンショウです。
まず近畿地方南部型ですが、葉が全縁で丸みを帯び、小型の個体はしばしば1枚葉になる性質を持っています。
こちらの個体は1枚葉になる以外の特徴が近畿地方南部型に類似しますが、採取された場所が近畿地方中部ですので近畿地方南部型類似としています。
近畿地方南部型とは別に近畿地方に広く分布するコウライテンナンショウがあり、こちらは非常に変異に富むようです。
次のものがそうですが、非常に独特な形をしています。
しかしどうやらこの特徴には他地域個体と連続性があるようで、独立種と見ることは出来ないそうです。

近畿地方型コウライテンナンショウ

こちらが件の近畿地方型コウライテンナンショウ。奈良県産です。
仏炎苞が高く伸び上がり、コウライテンナンショウには珍しい褐色をしています。
なかなかコウライとは似ても似つかぬ見た目ですが、地域が移動するにつれて徐々に見慣れたコウライの形状へと変化していくようです。

コウライテンナンショウ

スルガテンナンショウとして入手したものですがコウライが咲きました。
まぁ何が咲いても嬉しいですw
こちらは2つ前のコウライと似ていますが、葉が少し細長く鋸歯があります。
標準的なコウライテンナンショウではないでしょうか。

アマギテンナンショウ

みんな大好きアマギテンナンショウです。
この小型でずんぐりした仏炎苞がたまりません。褐色タイプもあるので両方集めてみたいですね。
この子は仏炎苞の縁が黒く染まってカッコいい個体です。

アシウテンナンショウ類似型ヒロハテンナンショウ近縁種

こちらは富山県で採取された個体で、アシウテンナンショウに似ていますが付属体が白です。
他にも全体的なバランスがアシウと異なり、仏炎苞が異様に巨大です。
ヒロハテンナンショウの仲間なのは確かですが、独立種になるかどうかは微妙だそう。
一体なんなんだろう…

アムールテンナンショウ

韓国雪岳産のアムールテンナンショウです。右と左の子が全然違いますが同種ですw
ずんぐりしてて可愛らしいテンナンショウです。
変異が大きいのでこちらも集めてみると楽しいかも…?

トウゴクマムシグサ

最初はその仏炎苞のサイズからヤマザトマムシグサを疑ったのですが、そもそもヤマザトマムシグサは埼玉県には分布が確認されていないらしい。
こちらはトウゴクマムシグサで、マムシグサとは雰囲気が異なります。
スラッとしていて、仏炎苞舷部奥の透き通った白条と黒色のコントラストが素晴らしいです。

ツクシヒトツバテンナンショウ褐色型

緑色が多いツクシヒトツバテンナンショウの褐色型です。緑色の個体も美しいですが、褐色の個体もテンナンショウ特有の禍々しさがなく爽やかな印象です。
余談ですが、ツクシヒトツバテンナンショウは実は葉っぱが二枚なのです(画像は一枚の個体)。
なぜ葉が二枚なのに“ヒトツバ”かと言うと、実はこれが命名された標本がたまたま一枚葉の個体だったと言うことらしいです。
テンナンショウは個体や株の条件で葉の枚数が増減する(稀に3、4枚葉も存在する)のでこう言うことがあっても不思議ではないですが、なんとも面白いお話です。
ちなみにタシロテンナンショウという名前もあるので、ヒトツバがややこしい場合はこちらを使うのもアリかと思います。

ホロテンナンショウ

みんな大好きホロテンナンショウです。言わずと知れた有名どころですが、野生個体は非常に少ないとのこと
今でこそこうしてたくさん手元で愛でていますが、ひと昔前は結構なお値段したようです。
たくさん増殖させてくれた趣味家さんや業者さんに感謝です…!

ミミガタテンナンショウ

おそらく割と有名であろうテンナンショウ。山に行くと割と生えてます。まぁしかしこの個体は仏炎苞がちょっと変。今年だけなのか来年も継続するのか、気になります。
ここまで来て分かった人もいると思いますが、テンナンショウには仏炎苞の展開と葉の展開の順序があり、種によって異なっています。
同定の際には非常に重要な手がかりになることが多いですので、ある程度覚えておくといいかもです。

ムサシアブミ・二頭竜

この子はムサシアブミの中で最も有名な銘品ではなかろうか。
片方の葉が仏炎苞に変化する突然変異で、株の状態がいいと仏炎苞が2つ3つと増えていく品種です。
この大きさで咲くとは思っていなかったのでビックリです。よく肥培して来年以降の芸は暴れてくれることを祈ります。

スルガテンナンショウ

意外と知名度が低くて悲しい子、スルガテンナンショウです。付属体の先端が肥大するのが最大の特徴ですが、あまり認知されていないようです。
ムロウの亜種とされていましたが今は別種になっているようです。
仏炎苞の内側に乳頭状の細かい突起がたくさんあるのも特徴らしいですが、集合体恐怖症の方は見ない方が良さそうです。
爽やかで美しいテンナンショウです。ムロウは褐色タイプが存在するので、スルガも褐色タイプが存在すると踏んでますが見たことがないです。うっすら茶色に染まる個体ならあるのですが…。

(コウライテンナンショウ×ユキモチソウ素心)×ユキモチソウ素心

コウライテンナンショウとユキモチソウの素心を交配して素心の交配種を狙ったようです。
ハズレ株に戻し交配を行なったF2個体ですが、まだこちらは褐色です。
もう一回戻し交配すればまだ可能性はありますが、なにせコウライが掛かっているため巨大化して肥培が大変です。
ユキモチソウが交配されると非常に美しい個体が作出されることが多く、これ以外にもユキモチ×ムロウ、キシダ×ユキモチ、キリシマ×ユキモチ、アオ×ユキモチ、ユキモチ×マムシ、ユキモチ×スルガ、ユキモチ×ムサシ、ユキモチ×ヒトツバなどユキモチ交配は意外とたくさん存在します。私はユキモチ素心×ホロとか、ユキモチ×オオミネとか、ユキモチ×ヒュウガヒロハとかやってみたいですね。ユキモチソウを掛けるとほぼ確実に美しい個体が出るようなので、ぜひ手元にあれば挑戦してみてください。そしてあわよくば送りつけてください()


さて、本日のテンナンショウ祭りはこの辺りでお暇とさせていただきます。
まだ出してないテンナンショウもいっぱいあるのでもしかしたら続きがあるかも…?
多分いま蕾のヤマトテンナンショウが開花したら続き出しますw
変に専門的な話ばかりになってしまいましたが、テンナンショウはとても魅力的な植物です。
機会があれば是非育ててみて下さいね!


それでは、本日の凍てつくブログはこれでおしまい。
またこんど!!!