アンネ・ゾフィー・ムターという

有名なヴァイオリニストを知っておられる方も

多いと思います。


あの名指揮者カラヤンに才能を見出された

ドイツ人女性です。


私が彼女の弾くモーツァルト音楽に関心を

持ったのは、彼の音楽を彼女独自の感性で

消化し表現している点です。


そのポイントは「モーツァルトの音楽は

静寂で始まり、静寂で終わる」という感性。


私から見たら、かなり個性的な感性だと

感じました。


彼女が弾くモーツァルトといえば、

ヴァイオリン協奏曲が多いのですが、

其の5番を聴いてみて下さい。


本人が指揮もし、弦楽器チームとの

コラボ。


そのイントロが、他の指揮者に比べて、

かなりピアノ(弱い音)に抑え込まれて

います。


驚くほど、静寂の中で

曲が始まります。


その理由は、私には分かりません。


明るくがなりたてるのではなく、

遠くからヴァイオリンの音が聞こえて

くるような演奏で始まるのです。


最初は、このイントロに違和感を

覚えましたが、聴き込んでいくうちに

深みを感じてきました。


ヴァイオリンのソロパートを引き立てる

ため? とも感じましたが、それだけでは

ないような気もします。


モーツァルトのヴァイオリン協奏曲は、

3,4,5番が有名ですが、いずれも

自律神経を整える効果があると

言われています。


ハイテンションではなく、静かに

ヴァイオリンの音色を脳へ染み渡らせる。


目を閉じて、自分なりに情景を

思い浮かべながら聴くと、リラックス

できます。個人的にはですが・・・。


ムターの感性に基づく解釈は、もしかして

モーツァルトの意図にマッチしているのかも

しれません。


もし精神を和らげたい時がありましたら、

ムターのソロによる、このヴァイオリン協奏曲を

聴いてみてもいいかもしれません。


私はおすすめします。