『郵便配達は二度死ぬ』 山田正紀 徳間書店
郵便配達は二度死ぬ
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歩道橋の両側から上がって来た女性二人が、
中央に同時に郵便配達夫の死体を発見する。
その時、回りに怪しい人物は一人としていなかった。
二人が警察を呼びに行ってる間に、
死体は歩道橋の下に移動する!
誰も居なかったのに!!
見えない犯人、密室殺人事件である。
郵便配達夫ものミステリーと言えば、
チェスタトンのブラウン神父ものだが、
これは郵便配達夫が被害者である。
景色に同化し、居ないものとされる郵便配達夫は、何故殺されたのか?
同僚の郵便配達夫は探偵活動を開始する。
そして見つけた怪しい人物も殺される。
現場に駆け寄った探偵は、
被害者のダイイングメッセージを聞く。
目が見えないほどの薄れゆく意識の中、被害者は、
最後の力を振り絞って、犯人の固有名詞を呟く。
だが、それは、探偵の名前だった!?
そして、探偵にレイプ犯の嫌疑もかかる。
俺には身に覚えが無い!
ここはディック的不条理世界か?(違いますw)
一人称と三人称が混在する構成だが、
これはアンフェアだな。
山田正紀には外れが無いのが常識だが、
これと「崑崙遊撃隊」は読まなくていいと思う。