『愚か者の祈り』 ヒラリー・ウォー 創元推理文庫 | 表層人間の半可通読書とゲームリプレイブログ(略称半読書リプレイw)

『愚か者の祈り』 ヒラリー・ウォー 創元推理文庫

愚か者の祈り/ヒラリー・ウォー
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本書のベストセリフ


マイク・ダナハー「彼女がどんな娘だったか、


           警察にはなんの意味もないことだ。


           彼女が安っぽい売春婦だったとしても、


           おまえさんの言う人並みに人間味ある子と


           まったく同じように犯人捜しに全力をあげる。


           彼女がどんな女だろうと、


           おれたちには関係ない」


被害者を差別しない素晴しいプロの警官を描写した、


元祖にして完璧の警察小説。


被害者が美少女だったので、


萌え燃えになる若い刑事を諭す主人公の警部がかっちょええ!


刑事が天職なのでもちろん独身。


性欲で捜査に贔屓は出ない理想的な刑事。


捜査中に良き妻になりそうな女性に巡り合うが、


もちろん仲良くなる余分な雑談はせずに、


ひたすら捜査に徹するプロ。


仕事関係で女に巡り合うのは余禄だと受け入れる奴もいるが、


仕事を通じて女をGETしようと思う奴はプロ意識に欠けるよな。


推理などするな、事実を集めろという、


地道な足を使った捜査の聴きこみで事件を解決する正統派。


電話で聴きこみする部下を怒鳴りつけるシーンは痛快。


地味だが、過剰な心理描写は無いので、


ノンフィクションのドキュメントみたいにすっきりしていて読み易い。


本格推理小説としても一応ドンデン返しはあるので楽しめます。


公私混同しない毅然とした仕事のプロを目指す本物の男はこれを読め!