「エンジェル・エコー」 山田正紀 新潮文庫
想像できないものを想像する天才山田正紀。
今回のモチーフは超空間である。
250P程度の薄い本なので、
詳しく書くと読む楽しみがなくなるので、
詳しくは書けないが、
万能の美少女のアシスタントになった、
覚醒しないエンディミオンの物語という紹介はどうよ?w
一人称なので、主人公の「ぼく」が、
どこで、誰に語っていた物語なのかが明らかになるラストは、
意外性があって良かった。
ヒロインの一人称で続編を読みたいと思ったよ。
ハードSFとしては、テックレベルの相関性に疑問が残るが、
これはハードSFではなくて本格SFなので、気にしてはいけない。
でも、素粒子としてのグラビトンの考察がないのは残念。
γ崩壊以外に、重力子や重力波で超空間にアプローチして欲しかった。
まあ、ラブストーリーとして読むべき話かもしれない。
- 山田 正紀
- エンジェル・エコー