「ハローサマー、グッドバイ」 マイクル・コニイ サンリオ | 表層人間の半可通読書とゲームリプレイブログ(略称半読書リプレイw)

「ハローサマー、グッドバイ」 マイクル・コニイ サンリオ

「大切なのは自分が自分のことをどう思ってるかってことだ。他の連中がどう思ってるかじゃないんだ」

「大切なのは話の裏の意味なんだぞ、ドローヴ。ひとつの物語は目的があって語られるけれど、その語られ方にも目的があるんだよ。その話が本当かどうかなんてのはつまらんことさ」

「誰も人が考えることをやめさせることはできない」

「ぼくが怒ってるのは、敵と取り引きできる人間がいるってことさ、ただそれだけなんだ。それは裏切りだからな」
「悪いけどね、そう言われてもぼくには通じないんだよ、ウルフ。宣戦が布告されたのはある決まった日なんだ。ある日は蒸留液を輸入して、次の日には裏切るのが割の良い仕事だって言うのかい?それにその時に船が中間のところにいた人間はどうなんだ?」

「やつら、頼みもしないんだ、畜生、頼みもしやがらないんだ。そういうことはなさらんのさ。お前たちトラック運転手はみんなわれわれのために働くんだ、ただこう言っただけでやがる。これが議会のやり方さ、頼んだりしないんだ。命令しやがるのさ。奴隷さ」

「こいつは議会の戦争のようだな、わしらの戦争じゃない。どうして連中はわしらのことは放っておいて、自分で戦わないんだ、わけがわからん!」


異星が舞台であるが、ラストのどんでん返しがなかったら、青春恋愛小説である。
地球でいえば1875年頃に相当する文明を持つこの惑星では、
エルト国とアスタ国で戦争が勃発した。
本書はその状況を背景として語られる恋愛青春小説である。
主人公の少年はエルト国の役人の息子、
主人公が恋する少女は、エルト国のしがない旅館の娘。
戦争、身分の差、そして意外な事実によって引き裂かれる幼い恋人達。
彼らに煌く夏の日は戻ってくるのでしょうか?
という話です。

SF臭い所はまったく無さそうに思えて、実は凄いSFだったとラストで理解出来て感動するタイプのSF