悪魔のようなあいつ




年末年始の番組は、バラエティが多くて、私が観るドラマがないもので、

1975年に放送された「悪魔のようなあいつ」のDVDを観ました。


元刑事の野々村修二(藤竜也)が経営するバー「日蝕」で歌手として働く可門良(沢田研二)。男娼としての顔を持つ彼は、あの「三億円事件」の犯人だった。良に惹かれて夜を共にする夏恵い子(那智わたる)、良をつけ狙う刑事白戸五十六警部(若山富三郎)、良の三億円の金を狙う八村八郎(荒木一郎)。時効まであと185日。しかし、良自身も余命幾許もない重病に冒されていた。時効まで彼は生きていられるのか、時効は成立するのか、三億円はどこにあるのか…。



1975年といえば、高校入試を前に親からテレビを制限されていましたから、当時は観られなかったんですよね。


37年前の作品ってことで、ググってみると…。

△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼

以前から沢田研二にほれ込んでいた久世光彦が企画書を沢田が所属していた渡辺プロダクションに持ち込み、当時としては珍しい漫画原作のテレビドラマ化が実現。漫画、ドラマ、番組中に流れる楽曲という連動したメディア展開を図った。沢田研二と関わりを持ちたがっていた阿久悠が原作を手掛け、脚本は後に「太陽を盗んだ男」を手掛ける長谷川和彦が担当した。


ドラマ化に際し、「三億円事件」を取り上げたそのストーリーが原作共々注目された。現実の時間通りに迫り来る時効に合わせて物語が進展する奇抜な設定と、沢田をはじめとして若山富三郎、藤竜也、篠ひろ子など、豪華なキャスティングであったが、男が男を愛するという設定やレイプシーン、毎回登場するベッドシーン、なおかつそれがよりリアルに感じられるスタジオセットであることがお茶の間には受け入れられにくく、各話平均10%程度(最高11.6%)。「悪くない」程度の視聴率を獲得したが、制作サイドの要求水準に達せず、数話削った形で放送が終了した。 その一方、劇中で沢田が着用した斜め被りのパナマ帽とサスペンダーという独特のファッションが若い男性の間で流行。過激な内容でスキャンダラスであるがゆえに伝説的なドラマとなった。また、同ドラマに触発されて、栗本薫がBL小説「真夜中の天使」を書いている。


主題歌の「時の過ぎゆくままに」はオリコンチャートで1位を獲得、100万枚近いセールスを記録し、沢田の最大のヒット曲となった。日本のポップスやロックでは曲を先に作り、詞を後から乗せる「曲先(きょくせん)」が一般的であるが、この曲は詞を先に作り、それに合わせて作曲する所謂「詞先(しせん)」で阿久の詞が生まれ、大野克夫、加瀬邦彦、 井上堯之、井上忠夫、都倉俊一、荒木一郎が曲を競作。久世の判断で大野曲が採用された。以降、作詞:阿久と作曲:大野のコンビは沢田や様々な歌手に多くの曲を提供するヒットメーカーコンビとなる。 なお、チンピラヤクザ役で出演している岸部修三(現在の岸部一徳)は当時井上堯之バンドのメンバーだったが、本作を機に本格的に俳優に転向した。

△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼


金曜日の22時台に放送されたドラマ。22時と言えば、中学生が観る可能性も低くはないのに、このドラマでは全裸の篠ひろ子が、胸を見せてベッドから窓際まで歩いたり、警察の目を欺くために全裸の男女が駆け回ったり、今では信じられないシーンが満載。70年代は、大らかな時代だったんですね。



加門良に好意を抱く男を藤竜也が演じているんですが、沢田研二以上にセクシーで良いのよ。良にいくら冷たくされても、利用されても、憎めない。そこが切ないのよねぇ。


話は、荒唐無稽、支離滅裂、滅茶苦茶な展開。脚本家・長谷川和彦によると、「プロデューサーの久世光彦氏(「寺内貫太郎一家」、「時間ですよ」が代表作)は、とにかくロケが嫌いなので、オールセットで撮れる脚本にしてくれと注文された。」らしいです。だから、不自然なくらい外での撮影シーンがありません。



篠ひろ子は、街中でもナースの制服を着ているし、(長谷川和彦によると、これも久世光彦の演出だったとか)ツッコミどころは満載ですが、もう40年近く前の作品ですから、沢田研二の妖しい美しさと、藤竜也の艶っぽいエロさ、篠ひろ子の美しさ、那智わたるの退廃的な雰囲気、伊東四朗のオカマ役、悠木千帆(今の樹木希林)の図々しい看護師などを楽しんでくださいね。