cv.吉野裕行の彼氏が俺様かと思いきやウルトラハイパー甘えん坊で優しい彼女の事が大好きなCDです。
玲央は27歳のモデル。
外見からクールな印象のするカリスマ性溢れた方だそうです。
そんな彼のキャッチコピーは「傍若無人で素直じゃないけど誰よりも愛を欲している彼」。
そのキャッチコピーに恥じない、素直じゃない面と、愛を欲する時の脆さのバランスがとても良い彼氏でした。
私は吉野さんをほぼ存じ上げないのですが、(どれくらい知らないかと言うと「弱虫ペダルの荒北さん」くらいの認識です。)
この人の掠れた声とシリアスな演技が重なるととても儚くて今にも泣きそうな感じになるのが最高でした。
そして俺様っぽい演技も上手いのでそのギャップが楽しめるCDだな~と思いました。
ですがリップ音が時々特徴的すぎるのとえっちな台詞は果たして必要なのか?と面白くなってしまったので、その辺は…その……。
ちなみに今まで週刊添い寝CDシリーズはvol.1、vol.4、vol.6を聞いたのですがこれが一番良いストーリーだな、と思いました。ちょっと感動しました。
吉野さんが好きな方からおすすめされたのですが、彼のファンでなくても個人的には凄い大満足でした。
これをきっかけに馴染みの無い声優さんのCDを聞くのも良いかもな~なんて思いました。
以下トラックごとのネタバレ
01. 黙って寝ろ
忙しく家事をしている彼女を玲央が呼び止めます。
どうやら玲央は仕事が遅く終わり、その後彼女を部屋に呼び出した模様。
疲れてるだろうから、と甲斐甲斐しく彼の代わりに家事をしたりホットミルクを淹れたり…どうやら優しい彼女のようです。
「あのなあ、お前は俺の家政婦か?…違うよな?」
来ました、新感覚の俺様台詞です。
この台詞、勧められた時も「この台詞が良い!」と言われたんですが、本当に良いです。
彼女は家政婦でもお母さんでもなく彼女なんですよね。俺様タイプって何でも俺の為にあれやって、これやって、ってイメージだったので(偏見)、彼女としてただ傍に居て欲しいのだなあとこの台詞に凄い勢いで感動しました。
と、言うのも玲央はカリスマモデルなので毎日忙しく、ようやく明日が何ヶ月ぶりのオフのよう。やっとのオフを彼女となるべく一緒に過ごしたい、と言う事なんでしょう。そう思うと凄いいじらしい彼氏です。
そして彼女を何もしなくて良いから、とベッドに連れて行きそれっぽい雰囲気に持って行こうとするのですが……この彼女、あまり恋人っぽい雰囲気を察するのが得意でない模様。
「お前を抱きたくて…」
とかあからさまな事を言われてるのに全然効果がありません。
結局彼女のとぼけた顔がたぬきの信楽焼にそっくりだと玲央も大爆笑です。
きっと玲央と正反対の、ふわっとしたまるっこいかわいい彼女なのだろうなあ、とここで彼女像を妄想します。
「お前のやらなきゃならないのは家政婦の真似事じゃなくて俺に抱かれて寝る事」
とどことなく優しい声で言う玲央も、そんな彼女に癒されているだと思います。
02. そんなに眠れないなら……
部屋の電気を落としてしばらく、明日がオフな事に浮かれている玲央。彼女のお風呂上がりの良い匂いを嗅ぎながらキス…なんですが何故かリップ音がとてつもなく面白いです。
折角いちゃいちゃモードに入りかけますが、彼女は「顔色悪いみたい」と玲央が心配みたいです。この彼女凄い心配性でかわいいです。将来良いお嫁さんになれそうです。
玲央が心配で眠れないのか、疲れたはずの彼女はなかなか寝ようとしません。
「どうしても寝ないって言うなら…やっぱ、するか。今よりもっと目ェ覚めるようなような事」
ここで玲央の逆襲タイムです。
ですが相変わらず心配する彼女。誤摩化してるんじゃないか、といちゃいちゃより彼氏の体調を心配する……玲央は「ムードも何もない奴」と言っていますが、この彼女本当に柔らかくて良い彼女です。
そんな彼女に妥協し、玲央は彼女に自分の頭を撫でさせます。
この時の玲央が大層可愛くて、凄い幸せそうで笑顔なのが可愛いです。
玲央が見せる笑顔が好きだと言う彼女、本当に嬉しそうです。どれくらい嬉しいかと言うとキスして押し倒すくらい嬉しいみたいです。
そんな彼女が見付けたのは絵本で、どうやら玲央が撮影に使った小道具を貰って来た模様。
「もう使わねえからって押し付けられたんだよ。別に良いだろ。……こっちに集中しろ…」
自分より絵本に興味のある彼女が面白くないみたいですが、小声の台詞がすっごい興奮します。
このあと凄い痛そうな音で彼女に殴られるんですが、何したんでしょうかね…よろしくない所に手伸ばしたりしたんでしょうか…。
彼女は読み聞かせして欲しい、と玲央にお願いします。当たり前なんですけど、玲央はそう言うタイプじゃありません。そんな彼にそう言う要求出来る彼女も凄い!
「いやだ、読むならお前が読め」
「いーやーだーー」
とか言いつつ結局折れて読んでくれます。彼女のかわいいおねだりに負けたのでしょう。
この時の台詞が凄い反抗期の合法ショタっぽくて正直興奮しました。
絵本を持って来る時も、
「ズリィんだよ…こんな時ばっかりかわいい顔しやがって……」
と小声でぼやきながら読み聞かせの準備をしてくれます。彼女もかわいいけどお前も可愛いよ!
03. 風と雲のものがたり/04.抱いててやるから
すっごくふてぶてしい態度で読み聞かせの準備をする玲央。私が今まで聞いた添い寝CDの中で一番やる気が無さそうです。
モチベーションが上がらないので「玲央だいすきって言え」と彼女にふてぶてしくおねだりします。
大好きと言われればちゃんとモチベーションが上がる玲央が可愛く思えてきました。
「文句言ったらすぐに読むのやめるからな、マジで」
と前置きして彼の朗読が始まります。
……が、あまりのやる気の無さに彼女からストップがかかります。
「あ、文句言ったなァじゃあここで読むのやめ…っ!分かったって読む、読むからやめろ」
彼女が文句を言ったので読むのをやめようとしますが、この彼女は優しいですが手が出るので殴ってそれを止めます。
そして一悶着ありながらようやっと朗読再開。今度はちゃんと読んでくれます。
絵本は風と雲のお話。(以下要約です)
広い世界の中でどこにでも行ける風は、行く先々で生き物や樹々を吹き飛ばし強さを見せ付けて生きています。
風が大地を駆け抜けると皆身を屈め、彼の為に道を開けます。風にとってはそれが面白くて堪らなかったのです。
しかしある日、風が自分の上にある何か——雲の存在に気付きました。
自分の上に居る雲が面白くない風は雲に向かって力を込めますが、雲はふわふわと流れるだけ。風の思い通りになる事はありません。
やがて雲を吹き飛ばす事を諦めた風ですが、そんな風に雲がそっと寄り添います。
「私は貴方のように強くありません。それでも貴方が動きを止めれば、こうして隣に寄り添えます。貴方が穏やかに吹けば、一緒に空を流れる事が出来ます。」
「今、貴方の力は世界を怖がらせているだけです。けれど貴方が変われば、貴方の力のあり方そのものが変わる。貴方はどんな形にも変われるのです。それこそが貴方の真の強さであり、力なのではないでしょうか」
雲の話を聞いた風はこれまでの自分を反省します。
やがて風は、春には花の種を運び、夏にはそっとそよいで皆を涼しくしてくれます。風の力で広がる皆の笑顔—…沢山の恵みをもたらす力を得た風は、皆から慕われる存在に生まれ変わったのでした。
読み終わったと同時に急にぶっきらぼうにベッドのなかに入る玲央。彼女もその言う通りにします。
彼女はそれについて心配はしているようですが彼に詮索する事はしていないようです。放っておいてくれ、と玲央が言うとその通りにしてるみたい。そんな彼女に、
「おい、何黙ってんだよ…何か無いのかよ。どうしたの?とか。いつもと違うよ、とか」
それについて彼女が何と返したのかは分かりませんが、彼女は玲央の欲しい言葉をくれます。彼女は玲央の事をちゃんと分かってくれる人なのです。
この辺りのとてつもなく泣きそうで切なそうな声にドキッとしました。
そうして名前を呼んで欲しい、と彼女に沢山のキスをする玲央はどこか寂しかったのかもしれません。
彼女を抱きながらキスを落とす玲央ですが、彼女がここであくびをします。
玲央本人も言ってますが、本当にこのタイミングで眠くなれる彼女は凄いと思います。
よって玲央はまたもいちゃいちゃタイムを阻止されます。
だけど優しくもう寝ろと言ってくれる玲央は傍若無人などではなく、優しい彼女の優しい彼氏なのだと思います。
それにしてもこのトラックの玲央のうっとりした声がとっても良いです。
あと最初は個性的だなと思ってたリップ音にもそろそろ慣れてきました。
05. ……もう寝たか?
ここで彼女は夢のなかへ。キスをしても起きる気配がありません。
しかし「よし、寝てろよ。絶対聞くんじゃねーぞ」と今日仕事であった事、彼が彼女を呼び出した理由を話し始めます。
「笑わなくて良い、笑顔が似合わない」と言われてしまった事、風と雲の絵本を現場で読みながら、まるで自分と彼女のようだと思った事、
偉そうな自分に真っ向から注意して、優しくしてくれるのは彼女だけだと絵本のなかの雲と彼女を重ねていた事、
彼女の事を考えていたら自然と笑顔になっていた事、それを職場の人に注意された事、無性に彼女に会いたくなった事……
玲央にとって彼女は、「笑顔が好き」と言ってくれる唯一の存在だったのです。
自分のわがままを聞いてこんな夜中に呼び出してもすぐ駆けつけて、家の事までしてくれて自分の心配までしてくれる彼女に対して、悪かったと泣きそうな声で言う玲央には正直素直に感動しました。そしてこう言う演技が出来る吉野さんは凄い人なのだと思いました。
素直になれない人が素直に自分の気持ちを吐き出してる時の何と美しく愛しい事よ!!と叫び出したくなります。
彼女はそんな事も露知らず、幸せそうに眠っています。
「起きろよ…。……起きねぇー……」
玲央がキスをしてみてもやはり一向に起きる気配はありません。
このCDずっと彼女が玲央の言う通りにならないな、と思ったんですけど、ここで「絵本の思い通りにならない雲」と「玲央の思い通りにならない彼女」がばっちり合致して、何か凄い感動しました。
この時の台詞が凄い愛しいものに対してする声だったので、玲央はなんだかんだ思い通りにならない彼女が好きで仕方が無いのだと思いました。
もう傍若無人とか関係なく、彼女大好きな甘えん坊です。
幸せそうな寝顔の彼女が自分の夢を見ている事を願いつつ、玲央も瞳を閉じるのでした。
06. 朝起きたら
朝、彼女は少し早めのお目覚めです。朝ご飯の支度をしようとベッドから起き上がると、玲央も起きてしまいます。
ここからようやく思い通りにならない彼女に対しての玲央の真の逆襲が始まります。
「昨日は結局何もしなかったからな…悪かったな、朝まで待たせて」
「じゃあちゃんと言えよ。俺が欲しい、って」
昨晩はスルーしてばかりの彼女でしたが、ここではちゃんと玲央の事を求めてくれます。心配していた事が知らない内になくなったからでしょうか。
「今朝、俺の夢見たか?」
そう聞くと、彼女はしっかり玲央の夢を見たようです。
昨晩の玲央の願いが通じた!これには玲央も笑いながら嬉しそう。いつもは思い通りにならない彼女が願った通りになるのですから、確かに嬉しいでしょう。
何て言うかこのトラックの玲央は凄い幸せそうで良かったね!彼女とお幸せに!と言う気持ちになります。
彼女に隣に居て欲しいと幸せそうな声で告げる、彼の幸せな休日が始まろうとしています。
ところでこの吉野さんは何気ない台詞がとても上手いなあ、と思いました。
個人的にイイ!と思った台詞は殴られてる時のリアクション全般と「起きねぇー……」です。生活感があって良いです。
そしてトラックが進むごとにどんどん甘えん坊になっていくのが凄いツボでした。
ふわふわの彼女と居ると思い通りにいかない様は27歳なのに反抗期の中学生を見ているようでした。
「この二人早く結婚しなよ…いけるよ玲央……プロポーズした方がいいよ……」と本気で思いました。末永くお幸せに!