サフミ(17)は、世に言う“オタク”だ。

朝の10分間読書の時間にアニメの原作を読んで、冷やかされたこともある。

そして、ほぼ毎日アクセスするのは、『2ちゃんねる』だ。
マサフミは、書き込みを読むだけの所謂「ロム専」に近い。

ある大晦日、「新年にアニメにちなんだセリフを叫ぼう」というスレが。
窓を開けてはみたが、迷惑だろう、、、と結局叫ばなかった。

再び見たモニター上には、「叫んでみた」や「近所で叫び声が聞こえた」という文字。
常識を理由にしたけど、輪に入るのをためらっただけかもしれない。

マサフミは最後に、
「後悔しました。くだらないけれど忘れられない、冬の思い出です」
と言った。


タクというカテゴリーに分けられる人たちは、なぜか世の中から良い目で
見られることが少ないように思う。
ファッションにハマッても、バイクや車にハマッても、
アニメ・ゲームにハマっても皆同じオタクには変わりはない。
私だってB'zオタクである。きっと。

彼は最後に「くだらないけれど」と言っている。
くだらなくて結構!私は素晴らしいと思う!

意味もなく、クオリティーを求めすぎて、
感動や喜びに疎くなることは、人生の中で最も悔やむべき悲劇だと思う。