外国為替保証金取引でよく聞かれる『スワップ金利がお得!』
といった表現はどうやら間違いらしいです。
以前、オーストラリアのドルやニュージーランドのドルといった
高金利通貨の外貨預金が人気を集めた時代がありました。
しかし、その後、多くの預金者たちは”塩漬け”か”損切り”を
強いられる結果を招いたのでした。
なぜなら90年代初めの1豪ドルは120円くらいでした。
それが、なんと半分の60円まで下落してしまったのです。
そもそも、世の中に突出して有利な条件があったとしても、
すぐに平準化されてしまう経済の仕組みが、そこにあるからです。
預金金利(短期金利)=インフレ率+実質金利
厳密には… =(1+インフレ率)(1+実質金利)-1
高金利通貨≒高インフレ通貨
理論的には「 高金利による収入は通貨値下がりの損失によって
相殺される 」ということになります。
金利が高い通貨を買った人には、日々その価値が目減りする力が
自然に加わってしまうので、その分をスワップポイントによって
調整します。
相場には将来を早く織り込もうとする力が強く作用します。従って
自然に加わる速度よりも早くその方向へ動こうとするのです。
一方、安い通貨を買った人には、どうでしょう。
有利な分、スワップポイント分を引かれ調整されます。
したがって外国為替保証金取引は、
インカムゲイン(金利収入など)を狙う金融商品ではなく、
キャピタルゲイン(売買益)を狙う金融商品であるということです。
<備考>
外国為替保証金取引の”スワップ金利”という表現も問題です。
そもそもこの取引は売買契約であり、預金のような貸借契約では
ありません。金利とは、貸借契約に用いる言葉なのです。