恋:小池真理子 | 極私的覚え書き

恋:小池真理子

1972年冬。全国を震撼させた浅間山荘事件の蔭で一人の女が引き起こした発砲事件。矢野布美子は、大学助教授・片瀬信太郎、妻雛子と倒錯した関係に陥っている。一人の青年の出現で生じた軋みが端緒となり、三人の微妙な均衡に悲劇が訪れる…。無垢な女子大生であった矢野布美子が、自身の持つ“官能的”な資質に目覚めそのことから逃れられないと自覚していく過程が、実に“官能的”だ。恋という使い古された言葉をあえてタイトルにした小池真理子の自信とアイロニーを感じる。タイトルに惑わされてはいけない。

小池真理子の描く女性( 欲望水の翼 冬の伽藍 )は、僕がどうしようもなく心を惹かれた女性の面影を思い出させた。Sと軽井沢に行くことを決めたのもそれと無縁ではない。静かに生活をしてるだけなのに、どこか官能的でとても忘れられなくなる・・・

小池真理子としょこたんの関係
絵空事


恋 新潮文庫
小池 真理子 (著) 文庫 (2002/12) 新潮社
☆(大傑作です、小池さんあまり量産しないで欲しいです・・・)
価格: ¥740(税込)