神様からひと言:荻原 浩 | 極私的覚え書き

神様からひと言:荻原 浩

大手広告代理店を辞めて中堅食品メーカに転職した佐倉凉平が,新製品開発会議でトラブルを起こして「お客様相談室」に送られる。売ってる商品がホントにまずいから、クレームへの応対がリアル! 登場人物のひとりずつも奇人変人でキャラが立っている。同僚篠崎の奇人ぶりと頑固一徹のラーメン店主光沢が好きなキャラ。ホームレスになってでも自分のやりたいことを貫くという甘さなしも好感度大。楽しく時間を潰すのには最適。何度も吹き出します。

昨日毎日新聞で未成年に殴り殺されたホームレス男性の記事。東北から上京し会社を60才で定年。殴殺されたときポケットからくしゃくしゃになったお兄さんの連絡先がみつかったと。お兄さんは弟のことを心配しながら最近他界したと。ひとひとりの生涯はとても重い。ホームレスとひとくくりにできるはずもない。でもそれに無関心になっている自分がいるのも事実。ひとを総論ではなく(地位、肩書き)各論(生き様、エピソード)でみつめることが必要だと(頭では)思う。生涯の儚さを思い泣きたくなった。




神様からひと言 光文社文庫
荻原 浩 (著) 文庫 (2005/03/10) 光文社
価格: ¥720(税込)
ブックランキング☆
★★