バッハ:リュート組曲(ジョン・ウィリアムス) | 極私的覚え書き

バッハ:リュート組曲(ジョン・ウィリアムス)

リュート(ギターの前身の楽器)のためにバッハ(あるいはその弟子)が作った組曲を、ジョン・ウィリアムスがギター用にアレンジした名盤。ギターの旧約聖書とも称される。

1.リュート組曲第1番ホ短調BWV996
2.同第2番(パルティータ)イ短調BWV997(オリジナル:ハ短調)
3.同第4番ホ長調BWV1006a
4.同第3番イ短調BWV995(オリジナル:ト短調)

と4曲あるが、1曲ずつが複数の小曲からなる。それぞれの小曲の完成度が高く独自の世界を持つ。第1 番ホ短調BWV996のプレリュードで静かに始まる。それから流れるアレマンデ、クーランテ、サラバンデで息を継ぎ、ブーレ、ジーグと軽やかでしかも重層的な神懸かりの世界に打ちのめされる。複数の旋律が個性的に主張し合いながら全体として調和を保っている(ポリフォニーと呼ばれる技法)。僕はこの技法の奥深さに初めて実感をもって感動した。理屈抜き。当時ロック少年だった僕が(T_T)しながらクラシックの超絶技巧に目覚めた一品。僕は一生をかけてこの作品を完璧に弾きこなそうと決めた。暗譜するだけでは当然駄目で道は険しい。勝手ながらこのアルバムをギター界の「カラマーゾフの兄弟(ドフトエフスキー)」と称している。

バッハ:リュート組曲
作曲: バッハ
演奏: ウィリアムス(ジョン)
ソニーミュージックエンタテインメント - 1995/03/24

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