ひとり艦隊創設祭り! | 出漁!!ひとり艦隊☆ゴムボ釣り

ひとり艦隊創設祭り!

■感動ゼロ、疑心当社比1.5倍



さわやかな大安の朝、自宅前にトラックが止まる音が聞こえてきて、それがお客様の到着であることがピーンときたでありマス。


呼び鈴を押される前に玄関の戸を開け外を見ると、いつもの?ちょうど荷台の扉を開いているちょんまげTバックのお兄さん、いや違った、ちょんまげTバックが目印のトラックを運転してきたお兄さんが途方に暮れておりましたデス。

その荷物が40㎏オーバーで持ち手の無い箱であることから、搬入の手伝いを志願し、無事玄関の中へフェードイン。


ち:「ありがとうございます。助かりました」


三:「なんのなんの、いつもご苦労様でありマス。今日は一人だったんでありますな」


ち:「はい…で、申し上げにくいのですが、実は運送中、箱に穴が開いたようです、申し訳ございません」


三:「…」


三:「えっ?…」


三:「えぇっ!?」



出漁!!ひとり艦隊☆ゴムボ釣り
なぬぅううううう~(泣) 


箱を見てみると、横っ腹に、何かの角が当たって開いたと見られる直径5㎝程の破口が。そこからは船底の部分がばっちりクッキリ、モザイク無しのノーカットで見えておるではありませんか…。


ち:「中身にもし何か破損がありましたら私の携帯に電話ください。弁償も含めきちんと対応しますので…」


と、メモに携帯電話番号と押印をして帰って行きましたデス。
残された自分はぼそっと一言。


「とことんやね…(悲)」



■初っぱなからフルパワー!


しばらく箱を開けるのが嫌でしょうがなかったのでありますが、観念して開けることに。


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もう何も感じない…ゴムボ不感症…


最初に確認するのはやはり箱の破れ部分の損傷の有無。目をサラのようにしてミクロのゴミも逃がさない姑のように、またはモザイクがどうにかしてクリアに見えないものかと目を細めて画面を見ていた、高校二年のあの夏のように、厳しくチェック!


幸い、幅広く調べましたが船底には傷一つ無くもちろん穴もありませんでしたデス。気持ちが楽になったところで、前回は空気5割で毒ガスが噴出し、子供達がパニックを起こしましたが、今回は遠慮無く電動ポンプでフル充填いたしますデス。その方が早く漏れが見つかるだろうし(ここですでに負け犬魂が…)



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電動ポンプ初出動!「白黒ハッキリつけとくれっ!」


愛車ZX9Rからバッテリーを拝借し、初めて電動ポンプに通電、スイッチオンでありマス!

手順通りに空気を入れ、愛しいわが艦があっという間にその勇姿を現したでありマス。触ってみるとなかなか頼もしい堅さ。



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ここまではいいのだよ。ここまでは…



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外側にセルフべーラーの栓がないと思っていたら、シャッター式に改良されておりました。うむ、かっこいいでありマス!しかも便利!


が、喜びはひとまず置いておいて、ここからが本番でありマス!




■水密検査始めェいっっっっっっ!


前回のガス漏れをいち早く見つけた(つーかその場の全員が気づいていたが…)副艦長の息子四等兵が聞き耳を立て、自分も一緒に集中しますデス。



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前回の事件以来、頑なに副艦長辞退を進言する四等平。そう言うなよ…。


三:「なにか聞こえるか?四等平?」


四:「いや…聞こえない、でも…」


三:「でもってなんだよ!」


四:「…かすかに…うーん?」


三:「なにがうーんだ!聞こえないったら聞こえないんじゃ、父ちゃんには一切聞こえないもん!
親をおちょくってるンデスな、それでも軍人か貴様ぁっ!制裁じゃ!歯をつぶれっ!目を食いしばれっ!」


必殺のでんきあんま制裁を20秒ほど喰らった息子四等兵は一階へと逃げ去り、ボートと自分だけになったでありマス。冷静にあらためて耳を澄ましますが、何も聞こえませんデス。念のためと思い、船体の継ぎ目に石けん水を吹きかけても、ブクブクはありません。

そして、そのまま24時間放置プレイ検査へと進みましたです。



■祭り囃子が聞こえる


夜中寝る前、恐るおそるボートの部屋をのぞいてみると、入れたときと同じ姿で船体はたたずんでおります。触ってみても、入れ立てと同じガチガチのビンビンのまま。それと同時に、胸にふつふつと喜びが沸き上がってくるのが分かりますデス。



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暗闇に凛とした姿を保っている我が艦艇。かっこ良すぎでありマス!



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キール前方を支える木馬。座るところがバッチリはまりましたデス。



「いいんじゃないか? 大丈夫なんじゃないのかコレ? この娘はお客じゃなくて養子じゃね?」


遂に艦隊創設でありマス! 胸の中はお祭り騒ぎ!夜中にニヤニヤしている自分に少々気味の悪さを感じつつも、嬉しいものは嬉しいでありマス!

あぁ、艦隊創設と進水式を祝う家族の喜ぶ姿が目に浮かぶようでありマス。やぐらの上で太鼓を打ち鳴らす自分、笛を吹きながら、やぐらの廻りを踊る嫁、そして子供達…

ドン、どどん!ドン、どどん!

「踊れェ皆の衆ぅ~」

ピーヒャララ~! ピーヒャララァ~

ピーヒャラ~…

ピーヒャ…
ピーィィィィィィィィィィィ…

ピーィィィィィィィィィィィ…

ピーィィィィィィィィィィィ…

ピーィィィィィィィィィィィ…

ピーィィィィィィィィィィィ…


「はっ!!!!!!!?」


日中はまったく分からなかったでありマスが、世間が静まるこの時間帯、かすかではありますが、エンドレスなスカシっ屁のような音が確かに聞こえるでありマス。充填からすでに10時間を超えていますデス。船体を改めて確かめてみても堅いまま、怪しいところを全て調べてみますが洩れはないと言い切れる状態でありマス。


「この音はどこからでありますか…それにシンナー臭さが朝よりもはるかに強まっている…」


「船体は断じて違う!船体は…んっ?」


ふと船内に敷いているエアマットに目をやると…へしゃっているような…。指で押してみるとふにゃとしている。エアマットはフル充填せず、船体と同じ250ミリバールしか入れていなかったが、それにしても入れた当初はここまで柔らかくはなかったはず…。手で強く押すとブーブークッションのようにどこからか小さくピーピー空気が漏れる音がする。

空気漏れ? いや、待てよ、エアマットの充填は500ミリバール、今は250ミリバールだから半分しか入れてないでありマス。もしかすると空気が回りきっていないところへ少しずつ流れてるのかも知れないでありマス。なにせ、エアマットの中は柱状の繊維が詰まっているでありますし、堅いし…。


とにかく、明日仕事が終わってからバッテリーを持ってきてフル充填してみるでありマス。今すぐ確かめたいでありマスが、電動ポンプのスイッチオンと同時に、自称『殺しのライセンス』を持っている嫁に殺されるのは必至。
とにかく、明日を待つでありマス。



■『血祭り』の間違いでした


翌日、普段から適当にこなしている仕事を、輪に掛けて適当にこなし、バイクをすっ飛ばして帰宅。まだ熱を持っているバイクからバッテリーをふんだくり電動ポンプセットオン !一気に500ミリバールの全力充填しましたデス。

畳のように堅くなったマットに耳を澄ますとビシビシ中の繊維が泣いております。つまり、空気が動いている音であります。そして耳を澄ます


と…


ぴーっっっっっっっっっっっっっっ…


よく見ると、上面やや後方ど真ん中に音源が



出漁!!ひとり艦隊☆ゴムボ釣り
「状況っ! ガスっ!!」



「お連れ様だけお帰りでふぅぅぅ…(泣)」。



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