アウェイの神戸戦、東京ダービー・・・その後のマリノス戦、セレッソ戦、レッズ戦、そして先日の名古屋戦。振り返ってみれば、どれも「正念場」だったし、そのつもりで戦ってきた。

  だけど、明日の柏レイソル戦の「正念場」度合いは、その比じゃない。

  この試合で勝利をおさめなければ、本当にJ1残留への道が完全に途絶えてしまう。引き分けさえも許されない試合となったのが、明日の柏レイソル戦だ。

  そういう一戦に臨むにあたって、ゲンをかついだり、何かに祈ったり、そういうチカラに頼るのは、僕はもうやめることにしました。だから、あの「最後まであきらめないオトコ・三井寿」Tシャツも、明日は着ていきません。

  今日の夜から明日の試合までの時間は、本当に苦しいし、正直、逃げ出したくなりそうになるけれど、選手たちと自分たちだけを信じ、応援することだけにすべてを集中したいから、お守りとかゲンかつぎとか、神頼みとか、そういうところに心のよりどころを持とうとする自分が、たまらなく嫌なのだ。

  だから、明日の僕は、選手と自分たちだけを信じて戦います。それがすべてだから。

 

 最後に。

明日、ゴール裏にいる仲間にお願いしたいことがあります。

 もし先制されたり、追いつかれた場合、その瞬間こそ、すぐに全力で声を出し、選手を後押しして欲しいのだ。ゲームが苦しいときにこそ、僕らががんばって選手のチカラになろう。

 それでは・・・と言いたいところなのですが、「すべてのあきらめないヴェルディサポーター」に向けて書いたコラムをまた掲載しました。なんだろう、ジュビロ戦でワシントンが決めた、あのFKでつかんだ勝ち点「1」が、ここでこれだけ効いていることを思うと、やはりなにかすべてはつながっているような気がしてならないのだ。何度も申し訳ないですが、よろしければ、もう一度読んでやってください。)

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   「コトバなんかじゃ、敵わない」

ワシントンの咆哮を覚えているだろうか。


ジュビロ磐田戦のロスタイム。GK高木義成までもが攻めあがり、本当にラストワンプレーとなったFK。それを直接ゴールネットに叩き込んだ瞬間、彼はその場にひざまずき、体を震わせながら天に向かって絶叫した。


咆哮


 なんという執念なのだろう。

そもそも、僕はここで「絶対に最後まであきらめたらダメなんだ!」というメッセージを、いかに説得力を持って書くか悩み続けていた。悩みに悩んで、頭からケムリが出そうなくらい悩み続けていた。そのくらい、あきらめない気持ちの生み出すチカラをなんとかして文字で表現して伝えたいと思ったのだ。


 だけど、ここでどんなにコトバを並べたって、あの咆哮するワシントンには、絶対に敵わないんだ。当たり前である。だって、「あきらめない」ということに付随する、コトバを超えたあらゆる答えがあのゴールにはこめられていたのだから。

 

 タマシイのこもったプレーってやつは、この世にあるどんなコトバよりも説得力を持つのである。

 僕はそう思う。

 今シーズンのワシントンが見せてくれたプレーを思い出してみよう。あの咆哮だけじゃなく、ときに相手DFを引きずりながらゴールを決め、ときに自らGKとしてゴールマウスに立ちふさがりながら、彼は「最後まであきらめないチカラ」を、ロスタイムのピッチで何度も表現してくれていたじゃないか。そう、あきらめないキモチが生み出す答えなんか、ピッチの中にあったんだ。


 ワシントンは、言うまでもなく、ゴールを奪う天才である。だけど、それ以上に最後まであきらめないチカラを誰よりも信じている天才でもある。ならば僕たちは、最後まであきらめないチカラを持つサポ-ターになろう。 そして、それを最後の最後の最後まで、ピッチに注ごう。

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 最後まで読んでくれてありがとう。絶対ヴェルディ、勝たせましょう。