高い公益性を備えなければならない | ニシムラマサキのブログ 【株式会社 西村工務店 代表取締役】【 SASAYA・うづかの森 オーナー】

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どうすれば地域を『素敵』に変えられるのか、誇るべき田舎になるのか、そんなことばかり考えています。


昨日の続きの話です。

 

今回のクロノスカラーティンinハチ北ジャポーネの開催は、県道を封鎖して行ったということは、先にお話をしました。

 

国道、県道、町(市、村)道と、道路を管理するところによって、そのカテゴリーが異なっていることは皆さんもご存じのとおりです。

 

役所の方からお話を聞いて確かに!と思ったのは、道路のカテゴリーが上になるほど、その公共性が高いということです。

 

県道であれば、市や町をまたぎ、県レベルとして、物流や人の往来を必要とする道路であるということです。国道になれば、さらにその公共性は高くなります。

 

これまで県道を封鎖した例がなかったというのは、それによって、いろいろな方への影響が市道よりもレベルがあがるからです。

 

イベントで公共の道路を封鎖するということは、「みんなの財産」である道路がみんなのために使われなければなりません。

 

つまり、公益性があるかということです。

 

カーレースのためにほんのごく一握りの人開催することが、それにかなうのかどうなのかということを考えなければならないということです。

 

今回、道路許可を得たのが、開催の数日前でした。

最終的に警察の道路許可が必要となるのですが、それができるかどうかがぎりぎりのところでした。

 

警察にしろ、土木事務所にしろ、公的な機関であれば、問題がおきないよう最善の対応をしなくてはいけません。

 

だから慎重にもなるし、あらゆるリスクを徹底的につぶしていかねばなりません。

 

それが、担保されなければ、えいやでOK!というわけにはいかないわけです。

 

道路封鎖によって、う回路をしっかりと示す必要があります。また道路が使えないということで、近隣住民の生活に影響が出ることを考慮しないといけません。さらには事故を未然にふせぐための対応を考えていかねばなりません。そして、もし、事故が発生してもその被害が発生してもその被害が最小に収まるような対応も検討しておかねばなりません。

 

そういったありとあらゆるリスクをつぶしていかなければ、道路を特定のことのために使うということはできないのです。

 

 

今、多くの地域で、マラソン大会が盛んに行われていますので、道路をイベントで使うということはよくある話です。そういったイベントと圧倒的に異なるのが、カーイベントは、特に安全面において、道路を使用するというハードルが格段に高くなります。

 

今回、プレイベントの位置づけになったのは、少なくとも兵庫県としてかつて経験のしたことのない取り組みであったために、すべてにおいてOKという判断を下すことができなかったためです。

 

つまり、最初からリスクばかりをみて、ノーと言ってしまうのは簡単だけれども、プレという形で試験的に実施してみて、そこでの問題点を検証したうえで、再度このイベントが継続可能かどうかの判断をしましょうということだったのです。

 

ハチ北観光協会の理事長と、専務理事が、この難問をクリアするために、ずっとかかりきりでした。

 

そして、それを行政側からサポートすべく、町職員のF氏も本当にご苦労されたと思います。

 

何よりも、地域の人、とりわけ地区をまとめる区長さんも、地域の人に理解をしてもらわなければなりません。

 

公共道路としての機能の利便性がたとえ一時的であったとしても損なわれるということに対して、不便が生じる以上、それを理解してもらわなければならないのです。

 

どんなイベントを実施するにしても、それがどう周囲に波及していくのかということを常に意識しておかねばなりません。

 

確かに、私たちのような宿泊事業者は、イベントによって来訪される人が宿泊してくれれば直接的な恩恵を受けることができます。

 

しかし、それ以外の地域の皆さんには、単なる負担が増えるだけになります。そうならないためには、イベントを開催する人、それを楽しむ人、そしてそれに対して恩恵を受ける人も、その受けた恩恵に対してどのように、まわりに好影響を与えることができるのかということを考えなくてはいけません。

 

食材や資材など地元が潤うように意識しなくてはいけませんし、また継続的な雇用にもつなげていかねばなりません。

 

そうやって関係する人が意識して取り組んでこそはじめてその事業が公益(みんなの利益に資するもの)になっていくのです。

 

今回、イベントは大きな事故もなく無事に終えることができました。しかし、公益なものとなりえているのかといことには、まだまだ取り組むべき課題がたくさんあります。

 

今のことで満足をしていては、決して地域の人に喜んでもらえるようなイベントになっていません。

 

もっと多くの人がよろこんでもらえるようなそんな取り組みになるよう、私たちもがんばっていかなくてはいけませんね。