北信越大会・敦賀気比対北越 | アマチュア野球をめぐる旅。

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引き続き、北信越大会一日目、第二試合・敦賀気比(福井1位)対北越(新潟2位)戦のレポートを。

この試合の注目は一年生から名門・敦賀気比の四番打者として活躍する吉田正尚である。
09年夏、10年春と二度の甲子園出場経験があり、合計4試合で16打数5安打、打率.313を記録している。
173cm・75kgと体格には恵まれていないが、それを補って余りある北信越屈指の打撃センスの持ち主である。


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敦賀気比・吉田の鋭いスイング


北越戦で吉田は4打数2安打、敬遠の1四球と四番打者として及第点以上の打撃を見せてくれた。
重心を軸足に残しながら、鍛えられた下半身を土台に上体を鋭く回転させて強靭なスイングでボールを捕らえる。
写真でも分かるように押し手である左手をしっかりと押し込むリストワークの強さも兼ね備えている。

第一打席では左前、第二打席では右前と左右に安打を打ち分けたが、ミートポイントが定まっていない印象を受けた。
出塁した後の一塁キャンバスで、守備位置で打撃フォームを確認するような仕草を繰り返していた。
ヒットを打ちながらも吉田には納得のいかないスイングであったと推察する。


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エコスタのブルペンで調整する敦賀気比投手陣


敦賀気比の先発・山本翔大は延長10回141球を投げ抜き、被安打5・10奪三振の力投を見せた。
スリークォーター気味の左腕から投げ込むストレートは目測で130㌔台中盤。
ストレートに加えて、スライダー、カーブ、チェンジアップ?など多彩な変化球を操るという器用な一面を持ち合わせる。


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敦賀気比の二年生エース・山本翔大


山本の投球で特に効果的に映ったのは右打者のインコースに制球されるクロスファイヤーである。
厳しいコースに制球されると、北越の右打者はゴルフスイングのような形になってバットに当てるのが精一杯であった。

余談であるが、山本は投球のたびに帽子が飛んでいた。中盤までは100%に近い高確率で飛んでいた。
今年の夏の投球も非常に楽しみだが、二年生の山本の今後の成長曲線をしっかりと見守りたい。


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投げる度に帽子が飛んでいた山本翔大


試合は延長十一回裏、二死三塁の場面で敦賀気比、1番・中尾優斗の一塁ゴロがイレギュラーバウンドする。
打球はそのまま右前へ転がり、敦賀気比が幸運なサヨナラ勝ちで二回戦へと駒を進めた。
延長十一回、1-0という投手戦は両チームが失策ゼロという好守に支えられ、引き締まった試合内容であった。


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試合後のスコアボード