今治西対開星 | アマチュア野球をめぐる旅。

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高校野球を中心にアマチュア野球(ときどきプロ野球)の観戦記。

東海大相模対高岡商業に引き続き、第2試合は今治西対開星の対戦。
両校の事前情報を調べていなかった為、シートノックから先入観を持たずに観戦する事が出来た。

選手名簿・野球雑誌で入念な下調べをするのもいいが、まっさらな状態で観戦するのも楽しい。
自らの眼力が試されるような気がしている。


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今治西は公立の伝統校らしく機敏な動きでシートノックを受けていた。
ブラバンのいない神宮第二球場に、大野康哉監督の情熱的な掛け声が響き渡っていた。

対する開星は私立強豪校らしく体格に恵まれた選手が居並ぶ布陣。
野々村直通監督が工夫を凝らしたノックを行い、生徒は時折笑顔を浮かべていた。

今治西は「管理野球」、開星は「のびのび野球」のようにチームカラーは対照的に映った。


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今治西のサウスポー、日野。尻上がりに調子を上げていった。


今治西の先発は左腕・日野玲央奈。開星の先発は白根尚貴。ともに三番打者を兼務する投打の柱。
最近ではピッチングに専念させる事を理由に投手は下位打順に配される傾向にある。
しかし、中軸を打てる実力があるのなら相応しい打順に配置すべきだと考える。


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開星の白根は一年生ながら185cm・87kgという立派過ぎる体格


2回表、開星がスクイズと適時打で2点を先制するが、3回裏に今治西が2点を挙げて追い付く展開。
その後は白根・日野が粘り強い投球で要所を締め、均衡状態が続く。

今治西・大野監督からシートノックに引き続き、指示を出す大きな声が、高い頻度で聞こえて来た。
日常的なのか、昨日に限定された事なのか分からないが、名実共に指揮官であった。


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今治西・大野監督の大きな声が事あるごとに聞こえて来た。


7回裏、今治西は一死、二・三塁の場面で三番・日野が左中間へ適時二塁打で4-2と勝ち越す。
結局、これが決勝点となり今治西が逆転勝利で準決勝進出を決めた。


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試合終了後のスコアボード


8回裏、開星は三番・白根からという反撃に向け、絶好の好打順であった。
今治西・外野陣はフェンスの手前まで守備位置を下げていた。

この守備シフトが見事に的中して三者凡退に抑える事に成功。
いずれも通常の守備位置なら外野越えの大飛球に、開星の選手は腑に落ちない表情を浮かべていた。
四番・出射徹のレフトフェンス直撃のような打球も、レフトライナーとして処理されていた。
甲子園でも外野陣を深めに位置する陣形が定番化しつつあるが、見事な采配だった。