村井祐児 佐藤卓史 京都公演 ブラームス クラリネット・ソナタ第1、2番 | 音と言葉と音楽家  ~クラシック音楽コンサート鑑賞記 in 関西~

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クラシック音楽の鑑賞日記や雑記です。
“たまにしか書かないけど日記”というタイトルでしたが、最近毎日のように書いているので変更しました。
敬愛する音楽評論家ロベルト・シューマン、ヴィルヘルム・フルトヴェングラー、吉田秀和の著作や翻訳に因んで名付けています。

カフェ・モンタージュ 「最後のソナタ」

 

【日時】

2016年12月17日(土) 20:00開演
 

【会場】

カフェ・モンタージュ(京都)

 

【演奏】

クラリネット: 村井祐児
ピアノ: 佐藤卓史

 

【プログラム】

ブラームス:クラリネット・ソナタ第2番変ホ長調 作品120-2、第1番へ短調 作品120-1

 

 

 

 

 

ブラームス最晩年のクラリネット・ソナタは、2曲とも大変な名曲である。

それをカフェ・モンタージュでやるというので、喜んで聴きに行った。

もちろん、悪い演奏ではなかったが、結果的には私にとってしっくりくる演奏ではなかった。

クラリネットの村井祐児は東京藝大の名誉教授とのことで、また東京交響楽団の在団経験もあるとのことだが、演奏スタイルは割とさらっとしており、早めのテンポでさらさら通りすぎて行ってしまう印象だった。

ピアノの佐藤卓史は、日本音楽コンクールで優勝したり、浜松国際ピアノコンクールで第3位を取ったりと、こちらもまたすごい経歴の持ち主で、確かに演奏も安定しており力強かったが、晩年のブラームス特有の枯れた味わいといったものとはあまり縁のない解釈だった。

私は、このクラリネット・ソナタの演奏としては、ポール・メイエによるあまりにも繊細な演奏、およびカール・ライスターによる肉厚の滋味深い音色が聴ける演奏が好きである。