初代「ゴジラ 」のブルーレイを買ってみた | 「Going My Way!」 blog ver

初代「ゴジラ 」のブルーレイを買ってみた

1954年版の初代「ゴジラ」のブルーレイを買った。
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ブルーレイのソフトを買ったのは、これが初めて。

電気屋で流れてたperfumeのライブのブルーレイを

見たら、凄まじくキレイな画質だったから、割と期待

してたんだけど・・・、う~ん、やっぱ55年前の

モノクロ作品じゃ、ブルーレイ化しても、

正直ビデオとかとあまり変わらない気が・・・(笑)。

横に並べて比較したら、全然違うのかもしれんけど。

でも古いフィルム特有のゴミとかのノイズは、

完璧に消されてる。

それに映像特典の当時のメイキング写真なんかは

凄いキレイだったけどさ。

まあモノクロ作品は、キレイにし過ぎると逆に

雰囲気を損なう危険性があるから、調整が難しいよね。


あと残念なのは、ブルーレイは本編再生や

チャプター選択の度に、数秒のロードが入るから、ウザいわ。



この作品を視聴したのは、かなり久々だったけど、

やっぱり映画史の歴史に残る超名作だけあって、

55年も経った今でも、全く色褪せることもない魅力がある。
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(↑は現在発売中の食玩。初ゴジの初登場シーンのジオラマ。)


何だろう・・・、初代ゴジラは、歴代作品に比べても、圧倒的に怖い。

白黒映像が不気味だからか、戦争を彷彿とさせる映像だからか

分からないけど、映像から滲み出てくるオーラが全然違う。

現在の作品に比べれば、技術は圧倒的に劣るハズなのに。

ゴジラもモロに人間を狙って、容赦無く攻撃してくるし。

登場する時もすぐに姿が見えずに「ズドーン!!ズドーン!!」

と足音だけ聞こえてくるのが、また怖い。

鳴き声も重低音で迫力あってカッコ良いよね。音楽も良い。



あと最近になって知ったんだけど、劇中でゴジラが東京を

破壊したルートって、第2次世界大戦中の東京大空襲で、

米軍のB29が爆撃したルートそのものらしい。

これを知った時、鳥肌立った・・・。

この作品が反戦や反核のメッセージを込めてるのは

観ればすぐ分かるけど、ここまで明確に戦争への

怒りを込めてたんだな・・・って。

そりゃこの作品、戦後わずか9年しか経ってない訳だし、

作り手や観客に、戦争の記憶が生々しく残ってる時代だから、

当然と言えば当然だけど。


ゴジラ襲撃後の焼け野原になった東京や、野戦病院で

呆然とする人々、ゴジラの放射能で被爆した少女、目の前で

母親が死んで泣き叫ぶ少女とか、悲惨さもハンパじゃない。

あれも完全に空襲の再現だろうからなあ。


あと今回の再視聴で一番グッときたのは、芹沢博士の

恵美子への男心とか、ゴジラ撃退の為に、偶然開発してしまった

オキシジェン・デストロイヤーを使う選択を迫られた苦悩とかかな。

ゴジラをこのまま放置しておく訳にもいかない、でも使ったら最後、

世界の為政者達に兵器として利用され、ゴジラや核兵器以上の脅威を

人類に与えてしまうかもしれない。激しい葛藤の末に、

最後は兵器の秘密を隠したまま、自らの命と引き換えに、ゴジラを倒す。

この芹沢博士の苦悩と悲劇が、オキシジェン・デストロイヤーを

ご都合主義の単なる便利アイテムにしてないんだな。



俺この作品を初めてじっくり観た時は、色んな意味の恐ろしさと

悲しさで呆然としたし、しばらく頭から離れなかったもんなあ・・・。

ゴジラも人間も、双方加害者であり被害者であるのがまた皮肉。

特撮技術の水準の高さはもちろん、これらの強烈なメッセージ性が、

この作品を世界史に残る名作たらしめてるんだわ。

そして単純にエンターテインメント・娯楽作品としても面白いし、

未見の人がいたら、是非一度観て欲しい。




※もし今ゴジラ映画が復活したら、ヒロインはほぼ間違いなく

長澤まさみだろうなあ(笑)。そうなれば、個人的には嬉しいけど。