温泉コラム


作並温泉(仙台市青葉区)

銀山温泉(山形県尾花沢市)



11月10日(土)~11日(日)に恐妻と東北へバス旅行に行き、その際作並温泉に泊まる機会がありました。


山登りの話ではないのですが、このコラムの「山と温泉を楽しむ仲間たち」というタイトルのうち「温泉を」の部分を拡大解釈して、翌日見学した銀山温泉とあわせて駄文を寄稿したいと思います。お付き合いください。


作並温泉は、いまでこそ行政区は仙台市青葉区ですが、おそらくは平成の市町村大合併で、元は宮城郡宮城町であったものが仙台市に編入されたものです。

元々は仙台の奥座敷といわれていたのですが、最近は秋保温泉にその地位を奪われてしまって、宿泊客数も減少の一途をたどっているそうです。


そんなことはどうでもいいのですが、私は小学校低学年の4年間父親の仕事の都合で山形市に住んでいまして、町内会の慰安旅行で作並温泉に日帰りで行った記憶があります。

正確な日付は覚えていないのですが、かれこれ50年近く前になりますね。(半世紀前ってこと!)


 どのような交通機関を使ったかも記憶にありません。


(作並温泉は、仙台と山形を結ぶ「仙山線」に「作並」という駅があり、そこから山のほうに入ったところにあるのですが、列車に乗った記憶もなく、駅から歩いた記憶もないのです。


当時はバスを仕立てて団体で行くということはなかったと思いますし、大体今のような大型の観光バスなどない時代でしたから)


みんなで旅館に入って大広間で寛ぐこととなり、早速お目当ての温泉に入ったように思います。

内湯もあるのですが、その旅館の売りは河原にある露天風呂でした。


旅館の建物から木製の階段(屋根つきなのですが)を100段くらい降りると広い露天風呂があるのです。


屋根つきの岩風呂で、今は知りませんが当時は混浴でした。当然に若い女性が入っているわけもなく、女性といってもおばちゃんばかりだったように思います。こちらも小学校低学年ですから、気にしていなかったように思います。


大雨の後だったようで、川は増水していて濁った水が音を立てて流れていたような記憶があります。そのうち1人の老人が何を思ったか川との間の塀を乗り越えて(低い塀でした)川に入って行ったのです。


川の深さはそれほどでもなく、大人の腰程度でしたので、老人は流されることなく、5~6分川の中を歩き回って何事もなく帰ってきたのですが、見ていたおばちゃんたちは「命知らずのじいさんだ」という意味のことを山形弁で言っ

ていたのを覚えています。


 当時は旅館の名前など聞いたりしなかったのですが、今回行くことになって調べてみて「鷹泉閣岩松旅館」という宿なことがわかりました。


江戸時代に作並温泉が開かれた頃からの老舗旅館だそうで、平日なら泊まることもできるらしいのですが、週末は全く無理で、我々が泊まったのは「La楽リゾートホテル・グリーングリーン」という大型のホテル(収容1000人!)でした。

開業30年くらいの宿ですが、2001年に大改装して17階建てのホテルに生まれ変わった(?)という宿です。


中国・韓国の団体を積極的に受け入れている先進的な(?)宿です。建物の中の表示は日本語だけでなく、中国語・ハングル・英語もあり、ある意味国際色豊か(?)でした。


 但し外国の団体客のマナーはやはりそれなりだそうで、夕食・朝食のバイキングに彼らが参加したときの混乱はそうとうのものだという話を聞いていたので、ビクビクしていたのですが、今回は彼らの参戦はなく(あっても人数が少なかったようです)大きな混乱はなく食事をすることができました。


内容的には水準を下回っていたように思います。話食いのようですが、バイキングの食事のコストパフォーマンスの良さは、これまでの経験で言うと「リステル」グループが一番のように思います。「猪苗代」と「浜名湖」に宿泊しましたが、いずれも料理に手をかけているということがよくわかり、且つ美味であり、しかも値段はリーズナブルであるということです。


温泉の泉質は「単純泉」で、湯量はそこそこ豊富ですが、「1000人も泊まる宿で風呂がこの大きさ?」という疑問をもつような規模で、もし宿泊者のかなりの部分が一斉に入ってきたら大変なことになると思いました。


部屋はバス・トイレ付ですが、温泉地に来て部屋のバスに入れというのは、客に失礼でしょう。次回はぜひ平日に岩松旅館に泊まりたいものです。


11日の観光で銀山温泉に行きました。滞在時間が短かったので、駆け足の観光でしたが、PRパンフの写真と同じ(当たり前ですが)川をはさんでレトロな雰囲気の3階建て旅館が立ち並び、なかなか風情のある眺めでした。


テレビで政府系のコマーシャルに銀山温泉の宿の主人と結婚した外人女性が出ていました(和服を着て活花をしているシーンでしたが)が、今回宿のひとつの玄関を入ってみたところ、何と本人と会うことができました。

テレビと同じなかなかの美貌で、おかみさんとして愛想よく応対してくれました。全体に宿泊料は決して安くない温泉なのですが、一度泊まってみたいと思わせる温泉地でした。

                      (K隊員)