これは偶然の産物か?
それとも確信の犯行か?

ワタクシは今、あるモノから目が離せない状況にいる。

ワタクシの座る座席前に佇むエキゾチック美女のヘソで光り輝くピアスから数センチ下、そこに違和感を感じる。
ローライズの股上の丈が短いのか?アンダーヘアの股上の丈が長いのか?単にアンダーヘアの長さが長いのか?いずれにせよワタクシの目の前に佇むエキゾチック美女のジーパンのウエスト部分から数匹のウルフが顔を覗かしている。ウルフたちは群れるどころか、蒸れようともしない。どいつもこいつも立派にロンリーウルフしていやがる。あまりにも素敵すぎる状況なので『どっきりカメラ』の撮影かもしれないと思い周りを確認したがカメラはなかった。なのでワタクシは安心して『もっこりカメだ』の態勢に入った。
電車内は微妙に混雑していて誰もウルフの存在に気付いていない。ワタクシの隣りに座る耳毛ボーボー頭髪スカスカの妖怪ハゲ散らかしはこの緊迫した状況下で耳の後側から加齢臭をぶっぱなしながら居眠りをぶっこいでいやがるうえに鼻毛を束でワイルドしていやがる始末だ。冗談は頭髪だけにしていたたぎたいものだ。この手のヤカラがチャンネーへ送る視線ほど救いようのない濃厚なエロはなく、おセックス界では最高のスパイスと伝えられている。
エキゾチック美女の今後の為にもと思い、ワタクシは目から発射するレーザービームでロンリーウルフたちを焼き消そうと努力したが普通の変態なワタクシにはレーザービームなど出せるはずがなかった。そうこうしている間にエキゾチック美女もヘソ下に違和感を感じたのか、モゾモゾと手でヘソ下を確認しだした。そしてウルフを捕まえた瞬間に手は動きを止め、艶やかすぎる瞳でワタクシを見下ろした。

あなたならどうする?

ワタクシの場合、ペニー以外は硬直し顔は真っ赤になった。それを見たエキゾチック美女はワタクシにウィンクしてきた。その瞬間、唯一柔らかかった部分もガッチガチに硬直した。その後、エキゾチック美女はロンリーなウルフたちを指先で巣に帰し、何事もなかったように素人のフリをしていた。
電車を下車するために座席を立ち上がったワタクシにエキゾチック美女は再びウィンクしてくれた。

背中とポコチンの先っちょから汗が流れた。

俺の根性なし!

心の中で叫び続けた夏の夜、チャリンコのペダルを踏む足に思わずチカラが入った…。