副腎腺腫ってなんぞ???(その3)の続きです。
そろそろ、検査日記も終わらせたいところ。
Day3-2:
オペ室に入り、ストレッチャーから手術台へ。
みんな大変そうだ。重いし。
んで、さっそくT字帯を外され、どっかの酋長が股間に付けるようなプロテクター(はっきりと「前張り」って言われた)を装着。
右腕には血圧を測る腕輪、左腕には血中酸素濃度を測定する装置をつけられ、「これ以上恥ずかしいのは直腸検診くらいだな」って思ったり。
ここで、「副腎サンプリング」ってどうやるの?ってことについて少し説明を。
慶応大学病院のサイトから拝借してまいりました。
副腎静脈サンプリング
わかりやすくいうと、「左右どちらかの副腎から、アルドステロンが過剰に分泌されている部位を特定し、これを切除する」ための採血のことを言います。
副腎サンプリングによる部位特定をしましょうという判断に至ったのには、事前の造営検査にて右副腎に約22mm大の腫瘍(良性)が認められたため、右副腎からのアルドステロン分泌異常が極めて濃厚であるという判断からです。
両方の副腎から分泌されていることが想定された場合は、副腎サンプリング自体やらないんだそうですが。
今回、げーぷさんが受けた術式は以下のような流れです。
1.右そけい部にある大腿静脈を切開し、そこからカテーテルを通す。
2.カテーテルを副腎静脈の隅々まで持って行って、各ポイントの血液を採取する。併せて造影検査もやる。
3.これを左右両側の副腎に対して行う。
4.予定される所要時間は約90分。
5.術後60分は完全な安静。(大腿静脈がある程度ふさがるまで足を動かしてはいけないらしい)
6.ドクターから「安静解除」の指示が出るまではベッドから動かない。(起き上がってもいけない)
7.「安静解除」後は軽い歩行をすること。(エコノミークラス症候群予防のため)
8.当然、入浴・シャワーは禁止。
9.食べる・お水を飲むは自由に。
ハナシを戻して、手術前の準備が揃いました。
執刀医さまの登場。
執「今日はよろしくお願いしますね」
げ「はい・・・」もう何も言いたくない・・・早くおわんねーかなとしか考えていない。
ここで、担当医さんがひとこと。
医「カラダ動かせないから、何かあったら遠慮しないで声だしてね」
声出せって何を言えばいいんだろ?
と、何かを考えようとした瞬間、「では、始めます」。
ああ、とうとうこの瞬間がやってきた。
執「まづは局所麻酔していきますね~」
手術台に寝たことのある方ならわかるかと思いますが、下半身が施術部位だとどのタイミングで何やってるんだかまったくわからんのですね。
右大腿静脈あたりに麻酔打って、切開するって感覚がイメージできない。
痛いのかどうかすらわからん。
この恐怖はコトバにしがたいものがあります。
そういう緊張のせいか、局所麻酔されたことも大腿静脈開いたこともわからんまま「管(カテーテル)入れますね~」と。
ああ、なんか入ってきた。うれしくない。
執「まづは、左の副腎から採りますから。そのままラクにしててください」
あ、いや、この状況でどのようにしとけば「ラク」になるのか、と?
内臓器官になにか異物が入っている感覚というのはなんとも言えない気持ち悪さがありますね。
痛くはないんですけれどもね、なにか「うごめいてる」ってのが何とも、ね。
医「大丈夫?気持ち悪くない?」
げ「カテーテルが動いていて気持ち悪いっす」
医「そりゃ、そうだ。ガマンしないとね」
んじゃ、聞くなw
そんなことをやりつつ、採血したりCT撮るために息とめたり。
ここまではそんなにキツくなかったんですが。
執「今度は右の副腎採るからね」
右副腎からの採血になったとたん、ものすごく痛い痛い痛い。
上でも書いた通り、下半身で施術してるから何やってるか見えないのですよ。
モニターみたいなものもこちらに見せてくれるワケじゃないし、副腎静脈の状態がまったくわからんのですな。
センセー曰く、「特殊な血管の形状で副腎静脈の末梢部分までカテーテルが通らないんだわ、げーぷさんは悪くないの」
いや、それオレが悪いだろwww(カラダの構造はどうにもならんけど)
そこから、右副腎サンプリングは悪戦苦闘状態ですよ。
なにせ、急激に血管が曲がっているみたいで、末梢部分にカテーテル通そうとするとカーブの入り口にぶち当たって痛いんです。
げ「そこ、痛いっす!」
医「いま、末梢部に管通すからしゃべらないで!」
医「あと、おナカで息すると管抜けちゃうから胸で息してみようか」
マジでか?歯医者さんに行って、「痛かったら手をあげてくださいね」っつわれて手をあげたらそのまま降ろされたキオクがよみがえってきたよ・・・。
そして、どやって胸で呼吸すんだよ。浅い息を続ければいいのかな?
げ「いてぇ・・・」
医「もうちょっとガマン」
こんなやりとりが約40分は続いたかと思います(いちおう、手術なもんで、時間計測の時計が見えていたんですね)。
ようやく「はい、右副腎の検査終わったよ~。がんばったね~。相当特殊な血管の形状してたから時間かかっちゃった。」
医「げーぷさんが悪いワケじゃ(ry」
やっぱり、そんな血管もってるオレが悪いんじゃなかろうか???
どういうわけか、再度左副腎のサンプリングをやって終了。
施術時間は約110分。
いままで生きてて一番長い110分だった。
そこから、スレッチャーに乗り換えして、病室へリターン。
看護師さんが総出でストレッチャーからベッドに移してくれましたよ。
ERでよくやってた「レディ?1、2、3!」っていいながら移すヤツ。
まあ、また同じコトやるんだろうなぁ。予行演習としちゃいいのかな。も少し体重落としとこうかな?
病室戻って1時間で「安静解除」。早い。
そのあとは軽く歩き回って、点滴外すまでうろうろ。
と思ったら、逆流してきたよ?
ナースステーションにいって、左腕みせたら「あれ、逆流してるねぇ。生食もほとんど残ってないし、もう外しちゃおうっか」
予定よか早くすべての障害物が外れて、やっと1階(外)に行ける!
何しに外へ行ったかはヒミツw
ゴハンも食べて、ようやくこの日も消灯の時間を迎える時間になりました。
長かった・・・。今日は消灯とともに息絶えそう。
Day4 & Day5:
前日の副腎サンプリングをこなして、1日フリー。
大腿静脈に貼ってあるバンソーコーが取れるかどうかの様子見です。
これが取れないと入浴の許可がおりないのと、退院の許可がでない。
病院で検査もなくフリーってかなり時間を持て余すことこの上ない。
しかも、寝たきりとかじゃなくて、それなりに歩かなきゃならないのがなおさら。
リストバンド見えるようにしとかないとただの不審者ですもん。
夕方になって、ドクターから検査結果の説明にかんするおハナシ(いつ来るかってこと)と手術する場合の心得、その他の検査で気になることをつらつらと。
この日は23時に採血と翌朝、退院直前に採血の指示あり。
そんなのメニューにあったっけ?あ、あるわ・・・。
結構、「あれもこれも」的検査を組まれていたおかげで、副腎サンプリング以外の検査もきっちり組まれていたんです。
そして、翌朝退院の直前(当然、お食事の前)に最後の採血です。
この入院で何回針挿したんだろ?
まあ、手術するとなれば、点滴は慣れとかないとならないしなぁ。
そして、午前10時。
やっと退院(というか、退場。もう、次の入院患者さん待ってるから早くベッド空けなきゃならないらしい)。
こうして、4泊5日の検査入院が終わりました。
あとは結果と手術の日程を決めるだけ。(ちなみに、このエントリ書いている時点で結果出ています)
さあ、次はハラをかっさばこう(内視鏡だけどね)とハラくくって帰宅の途につきました。
結果は次のエントリで。
※原発性アルドステロンの参考までに、以下のサイトも見ておくといいかもしれません。
サンプリング副腎静脈検査 - 高血圧の人が受ける精密検査 | 血圧ラボ
原発性アルドステロン症 検査 ガイドライン 治療 手術:東北大学病院