スーパーロボット大戦K【レビュー】 | ウェーブログ!!

スーパーロボット大戦K【レビュー】

スーパーロボット大戦K 特典 Official Commentary Book付き

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NDSではシリーズ二番目となる作品。
最大の特徴として、参戦作品は2000年代の比較的新しい作品を中心とした、主に若年層をメインターゲットにした内容になっています。

スパロボシリーズの実験作としての意味合いが強い作品です。
もう一度言います、スパロボシリーズの実験作です
この作品は実験作という暖かい目を持ってプレイするのが重要。

あらすじ(公式サイトより引用)
今から100年ほど前、新たな紀年法として『星紀暦』(せいきれき)が制定されて間もない頃…。旧世紀からの目覚ましい文明の発達は、人類の宇宙都市での生活を可能にさせ、誰もが地球の未来に希望を抱いていた。

しかし、その頃より地球は長きに渡る戦乱の渦に巻き込まれる事となる。50年前の女王「妃魅禍」率いる「邪魔大王国」の出現や、十数年前に葵竜也博士によってその存在が警告されていた「擬態獣」の襲来、その影で散発していた奇怪な消滅・失踪事件は、人類に危機感や見知らぬものへの猜疑心を植え付けるには十分であった。この数十年の間に、遺伝子調整によって優れた能力を持った人類「コーディネイター」と、自然に生まれた人間「ナチュラル」との確執も、社会的に無視できないレベルまで達していた。

50年前における戦いでは、突如現れた「ゾーン」と呼ばれる結界で邪魔大王国は九州ごと封印され、擬態獣は5年前の「巨神戦争」を最後にその姿を消した。各都市も復興を遂げ、世界は平和を取り戻したかに思われた。

だがその裏で、かねてより険悪であった「ナチュラル」と「コーディネイター」の関係は、一触即発の状態にまで悪化していた。程なくして双方の擁する軍隊「地球連合軍」「ザフト」の間に戦争が勃発、さらには密かに世界征服の準備を進めていた悪の科学者Dr.ヘルも動き出し、戦争状態は主導者が倒れる迄2年近く続く事となった。

そして、戦争終結から半年が過ぎた星紀暦105年…

戦禍の爪痕も癒えぬ中、人類はようやく手に入れた平和を噛み締めるため、穏やかな時間を大切に過ごしていた。すぐ目の前に新たな恐怖が近づきつつある事も知らずに…。


【ストーリー】
★ ★ ☆
全体的にレベルが低いです。

各作品のクロスオーバーが目玉…の筈なのに、それがあまりされておらず。確かにキンゲとガイキングのクロスこそありましたが。
そして、新規参戦作品が多過ぎる為か出番の少ない作品が多いです。ルート選択によっては完全に空気になってしまう作品も。
特にファフナー等は専門用語が多いのだから、そこのフォローをしっかりとして欲しかった。

チョイス自体は原作が面白い作品が多いので、決して悪くはないと思います。それに実験としては全然アリだとは思うんですが…。


そして、今作はプレイヤーの行動でヒロインを選べるという、最早スパロボだかギャルゲだか分からなくなるようなシナリオを採用していますが、意味が分かりません
そもそもヒロインもそこまで魅力的でなく、正直蛇足。

また、分岐が多くて全シナリオをプレイするのに最低でも三周しなければならないというのも面倒。
さらに隠し要素を見逃してしまった場合を含めると…。

が、ガン×ソードはシナリオにおいて非常に優遇されているので、ファンの方は喜ぶかと。

【ゲームシステム】

まず携帯機とは思えない程テンポが悪い
当然戦闘アニメのカットは今作も存在していますが、何故かそれすらも長い
下画面をタッチする事で倍速に出来ますが、それがボタン対応していないので操作性も悪く、正直デフォで倍速でも十分なスピード
タッチペン操作も決してやりやすいわけではないので、ボタンとタッチの両方使用は非常に面倒。


また、今作ではじめて搭載されたパートナーバトルシステム
二体でコンビを組む事で援護攻撃(及び防御)をコンビ内で行う事が出来るようになるシステムですが、
これがスパロボK最大の失敗
中盤から敵すらも援護防御してくるのでテンポはどんどん悪くなり、味方はコンビ内でないと援護すらさせてもらえません。

また、コンビを組んでいる際のデメリットも非常に多いので、正直コンビを組む利点は合体と合体攻撃がしやすくなる程度。
戦闘に参加出来る機体が増えると言っても大半が修理・補給機体なので大体は倉庫行き。
いい加減にこの小隊じみたシステムは廃止にすべき。いらない。蛇足。

【グラフィック】
★ ★ ★ ★
一世代前のスパロボと比べると非常に綺麗で、よく動きます。最初はこの進化に驚いた程。
スパロボKで数少ない褒められる点と言っても良いかもしれません。

が、カットインの乱発でこれまたテンポを悪くしています。特にガイキングはその典型。
戦闘アニメを長くして、派手にすれば良いというものじゃない。
短くても良いから、原作ファンをも唸らせる独特の解釈をして欲しかったです。

【音楽】
★ ★ ☆
パクリ疑惑については敢えて不問とさせて頂きます。
が、それでもあまり褒められた出来ではありません。耳に残る曲が少ない。

アレンジ曲に関しても、せっかく良い曲を使っているんだからもう少しどうにかならなかったものか。

【難易度】
★ ★
敵のHPが高くなく、一部のエースパイロットの大活躍でヌルゲーに。
後述しますが、バランスがおかしいので弱い機体はあっさりと落ちます。

エースパイロットだけにまかせておけばラスボスすらもあっさりと倒せてしまいます

【ゲームバランス】
★ ☆
一部異常なまでに強い機体がいると思えば、宇宙戦が多いのに出てくる機体は軒並み宇宙B
パーツ購入出来ない一周目では主人公級のキャラとサブキャラの強さの違いに驚くかと。

それを除いたとしてもガンソ勢の強さは群を抜いてますが。

【その他】
二つの地球が舞台ですが、正直「それなんてACE3?」と思いました。
ストーリーの欄では触れませんでしたがね。

【総合】
★ ★ ★ ☆
あくまで個人的な満足度を挙げるとすればこの点数。
ガンソが優遇されていたので個人としては楽しめました。
非難囂々でしょうが、主人公も嫌いではありませんでしたし。

【良い所まとめ】
◯携帯機とは思えないグラフィック
◯参戦作品のチョイス

【悪い所まとめ】
◯テンポが非常に悪い
◯シナリオが全体的に悪い
◯パートナーバトルシステムが蛇足
◯機体の強さのバランスがおかしい(特に一周目)

【オススメ度】
★ ☆
ガン×ソードが好きならプラス2
『あくまで実験作だから』という暖かい目で見てやるとそれなりに楽しめると思います。
昔からスパロボをやっている方よりも、やはり若い世代向けの作品と言った所でしょうか。評価は人によって左右されると思います。