俺の留年日記12

朝に学校行って

友達とアホな会話する

お母さんの作ったお弁当を食べて

夕方に学校が終わって

友達の家に遊びに行く

それだけで楽しい一日になるね

今では失ったものが多いけど

素敵な思い出を残せたから

胸を張れる

そうだ誇らしげに笑ってやる！







ある日、エルが入院した

悲しげに笑った

俺「ハハハ、嘘やろ」

母「事実や」

俺「ゴールデンレトリバーは強いんや！」

不安で不安で仕方なかった

変な言い訳で気持ちを紛らわせていた



まさか本当に病気とは…



エルは体調がおかしかった

ご飯食べては嘔吐して

夜中にはオシッコを漏らしていた



授業中もずっとエルのことで頭がいっぱいだった

死ぬな…死ぬな…死ぬな…

とエルに念を放っていた

ﾘｭｳ「どうしたん？なんか顔色変やで？」

俺「死ぬな…死ぬな…」

ﾘｭｳ「え！？山本君死ぬん！？」

可愛い奴め…

俺はエルが死ぬまで死なんよ

俺「フフフ…」

とﾘｭｳﾉｽｹに微笑んでみせた



学校が終わるとすぐさま家に帰った

エルが帰ってきてるかもしれない！とそんな気持ちで家に着くと

やっぱりいない

玄関にエルがいないと

こんなにもスッカラカーンなんだな…

うっすらとエルの残像が映っているように見えた



エルに会いたい！



そう思った俺はおかんにお見舞いに行こうと誘った

俺「エルのお見舞い行こうや」

母「お見舞いかぁ…土曜日なら行けるけど？」

俺「行く行く行く」

やったぁーと思いながらエルに会える日を楽しみにしていた

もう俺の目が『へ』の字状態でニヤニヤしていた

気持ち悪いくらい楽しみだった





．．．土曜日

やっとエルに会える！

窓ガラスからバリーンと車に乗り込み

エルが入院している病院へと向かった