リクエスト*土方夢小説*暑さのせいで | I LOVE 銀魂~夢小説~

リクエスト*土方夢小説*暑さのせいで

第三回リクエスト企画


うさ様からのリクエスト


用事があり更新おそくなってしましましたo(;△;)o

申し訳ありません!!


どうぞ!!

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暑さのせいで











初夏、真選組屯所内にて。



「めんどくせーなー」



ミーンミーンとセミが鳴く声に顔をしかめ



蒸し暑い炎天下、蒸し暑い隊服に身をまとう女隊士。



仕事をサボり縁側に座り、そんなことを呟いていた。


女仕様でスカートになっている隊服など気にもせず、ガバリと足を開き



大の字になってその場に寝転ぶ。



暑い、暑すぎる。



電子レンジの中ってこんなんなんだろうな、なんて考えて眉を寄せた。



流れ落ちる汗は止まる事を知らなくて、容赦なく直射日光が肌に当たる。



セミ、うるさい。


一週間しか生きれないのはかわいそうだけど、ちょっと騒ぎすぎだ。



何十年生きてる人間の気持ちを分かって欲しい。



「あー!あっちー!!」



バタバタと足を上げ下げして暴れてみる。



余計に汗をかいて、テンションが上がったせいか余計に暑さが増した。



そんなことをしていれば、縁側の向こうから誰かが歩いてくるのが分かった。



暑くてそちらを見る気もうせる。



もういっその事寝てしまえ、と目を閉じた時。



「…何やってんだ、美優」



低く聞こえたハスキーボイス。



男勝りな自分の性格とは正反対に綺麗なその名前は、私のもの。



ハッとして目を開ければ、腕を組んでこちらを見下ろす―――土方さんがいた。



土方さん、なんて…いつもは“副長”って呼んでるのに。



暑さのせいか思考もおかしくなったみたいだ。



「何って…涼んでるんです」



ふい、と顔をそらしてそう言えば



「涼むなら中の方がいいだろ」



副長らしくもない、そんなことを言った。



仕事をサボッてる件は怒らないのか。



しかもそのまま私の隣にストンと腰をおろしてしまった。



まぁこんな暑さなら一休みも必要だろう。



だけども、本当に副長らしくないな。



「珍しいですね、副長がサボりなんて」



「サボリじゃねーよ、休憩だ」



休憩、という割にはタバコをださない。



私が前にタバコは嫌いと言ったからだろうか。



私も起き上がり、その場に座る。



そして、隣にいる副長をチラリと盗み見た。



ジャケットを脱ぎワイシャツにベストだけの格好は、それでもまだ暑そう。



真選組、夏服とか作れば良いのに。



いっそのこと私が提案しようか。



そんなことを考えながら、ボーッと外の景色を眺める。



多い茂る緑を小鳥が飛び回り、たまに涼しい風が吹く。



「あちーよ土方コノヤロー!」



「…涼しくなったら覚えてろよ」



今は怒る気力もないらしい。



今のうちに日々の不満を叫んどこうか。



…いや、後が怖いからやめておこう。



さすがの鬼の副長も、この猛暑じゃ気力ダウン気味。



かき氷でも食べたい…―――「副長、手紙です」



ほんわかとかき氷を頭に思い浮かべ、「えへへ~」とやっていれば



縁側の向こうから隊士が1人走ってきた。



何やら一通の手紙を副長に渡し、そのまま去っていく。



それを受け取った副長は、分かりやすく眉をひそめた。



「またかよ…」



はぁ、と一つ溜息をついて読まずに自分の横に置く。



…誰からだろう。



こういうのはすごく気になる。



そーっと気づかれないように手紙に手を伸ばし、中身を見ようとしたけれど。



「ダメだ」



すぐさま取り上げられ、見ることは出来なかった。



「なんでですか、いいじゃないっすか!」



ムッと頬を膨らませば、バツが悪そうに目をそらされる。



「どうせ読まないなら私が読みます」



「お前が読んでどうすんだよ」



いつのまにかちょこんと副長の方を向いて正座する私。



わしゃわしゃと頭を掻きながら困ったような表情の副長。



なんで見せてくれないのだろう。



むくれて相手を睨みつければ、やはり目を泳がしている。



そんなに見せられないのだろうか。



…もしかして



「…女の人、とかですか」



ぼそぼそと小声で言ってみる。



もやもやとした塊が胸の中にある、どうすればいいんだろうコレ。



なんだか無償に嫌な気分で、相手の目を見ずうつむいた。



「……」



無言。ってことはつまり、YESだろうか。



あーはいはい、ラブレターですか?



「へぇ~、古風なこって」



フイ、と副長から顔をそらし口を尖らせる。



体育座りをして前を見る私はきっと、拗ねた子供みたいだと思う。



自分がそういう女の子らしいことを出来ないから



副長には悪ガキくらいにしか見てもらえないから



だから…そういうのに無性に腹が立ってしまう。



「…なんで読まないんですか」



何も言わない副長に少しムカついて、ギロリと睨む。



けれど平然として、前を向くこの人は



「…読みたかねーからだろ」



乙女心も知らず、そう言い放った。



まったく、手紙を出した女の人が可哀想だ。



ふーんと相手から顔をそらして、私はそっぽを向いた。
















暑すぎて、さすがの俺もやる気がうせるな。



なんて、俺の隣にいるこいつはもっとやる気ゼロだがな。



「あちーよ土方コノヤロー!」



足をバタつかせながらそう叫ぶのは―――美優。



ったく女だって自覚ねーのか。



スカートの隊服だっつーのにも関わらず、暑いのかそれを捲り上げるその姿に



思わずドキリとして目をそらす。



頬が熱いのは多分…暑さのせいだ。

―――その時、縁側の向こうから走ってきた隊士。



それだけで嫌な予感がした俺は、露骨に顔をしかめた。



「またかよ…」



思わずそう声をもらし、手紙を床に置く。



最近多くなった、恋文とやら。



初めの一通を読んだきり、他はどれも読んじゃいねぇ。



第一、積極的な女は好かねぇしな。



「ダメだ」



いつのまにか置いていた手紙に手を伸ばす美優を見て、慌てて取り上げた。



ダメだ、こいつにはぜってぇに見られたくねぇ。



手紙を取り上げた俺に、ムッとした表情を見せる美優。



すねたように前を向く姿に思わず眉をしかめる。



…本当、俺はこいつに甘い。



怒ろうと思っても怒れねぇ。



情けねぇな―――惚れた女に、振り回されるなんて。



「…あーあ、夏なんかキライだ」



それから一言二言会話を交わせば、奴はこてりとその場に転がった。



そして、言い捨てるように小声でそう呟く。



「無防備すぎるだろ…」



本当、自分が女だと自覚しろバカヤロー。



あまりの暑いせいか思考がおかしい。



普段は考えないのだが…あぁ、俺も夏なんか嫌いだ。



まったく無防備に寝転がる姿を見て、くしゃりと自分の髪を掴んで目をそらす。



冷たい風がたまに吹く外は、暑苦しい屯所内より少しは涼しいかもしれない。



ふわふわと飛び回る蝶に目をやり、一つ溜息を零した。



…そろそろ、仕事に行った方がいいかもしれねぇな。



ここにいちゃ、暑くて何をしちまうか分からねぇ。



きっとそろそろ1時頃だろう――――そう思って、立ち上がろうとした時だった。



――――「ぎゃ~~~!!!」



隣でした甲高い叫び声。



何事かと横を見れば、横になった状態で目を見開き固まる美優。



「どうした」



片眉を上げてそう問えば、目だけでこちらを向き



こいつらしくもない、震えた声で話し出した。



「む…虫、が…肩に」



半分涙目で、自分の肩に目くばせをする。



虫…?



眉をひそめて相手の肩を見やれば、本人の言う通り。



小さなてんとう虫が一匹、美優の肩を歩いていた。



「なんだよ、これくらいの虫」



はぁ~~っと大きく溜息をつき前を見る。



いきなり叫ぶから何かと思えば、小せぇ虫じゃねーか。



こいつのことだから、素手で掴んで投げるだろ。



「む、無理です!ととと取ってください!!」



…そう思ったけれども、慌てたようなその声に再度相手を見た。



やはりその虫のせいで身動きがとれないらしい。



寝転んだまま固まる姿に、思わず笑ってしまった。



「男勝りなお前はどうした?」



ククッと笑みを殺しながらそう聞けば、怒ったように顔を歪ませる美優。



「なっ…虫は嫌いなんだよ!!」



また、タメ口なってるし。



それがまたおかしくて俺はガラにも無く声をだして笑った。



顔を赤くして怒る美優が可愛くてしょうがねぇ。



笑い終えた俺はまた相手を見て、口角を上げた。



「動くな、とってやるから」



本当に、世話のやける。



どの男隊士より世話がやけるなんて、相当だぞ。



だけどそれが何故か嫌じゃないなんて、俺はおかしくなっちまったのか。



「お願いします…」と涙目で呟く美優の肩に、そっと手を伸ばす。



小さいそのてんとう虫は、つまんだだけでもつぶれてしまいそうで



小柄なこいつに似ていた。



そして人差し指の上にのせると、赤い羽根を広げどこかへ飛んで行ってしまった。



空高く飛んでいく、小さな虫。



ボーッとそれを眺めていれば



「…ありがとう、ございます」



そう、小さな呟きが聞こえた。



「あ?…おう」



目線を美優に戻せば、恥ずかしそうに目をそらした。



――――――ちょっとまて、今…俺。



美優を見て、あることに気がつく。



横になった状態のこいつの肩に触れたままの俺は



まるで、こいつに覆いかぶさっているかのようで



顔だって近くて、思わず赤面してしまった。



「あのー…そろそろ副長、どいてくれませんか?」



こちらの様子を伺うように眉を下げる相手。



…俺は、何を考えたのか。



その言葉に答えることなく、ボーッと相手を見つめていた。
















さっきから、おかしい。



目の前にいる副長は、ボーッとこちらを見つめたまま動かない。



暑さに気力も抜けてしまったのか。



「あのー…そろそろ副長、どいてくれませんか?」

そう言って見ても、返答がない。



ただの屍のようだ…じゃなくてじゃなくて。



どうしたのだろう、本当に。



――――本当、言い加減どういてくれないと…心臓が持たないっていうのに。



ハタから見れば平静かもしれないが、心臓は騒がしく暴れている。



さらりと副長の黒髪が風にゆれる。



すると一度瞬きをして、ゆっくりとこちらへ近づいた。



ドキドキと…体中が熱をおびる。










なんでこんなことになったんだっけ。



暑くて?



いや、違う。



あたしの肩に虫がついてたから、かな。



だけどおかしいよね、こうなるなんて。



視界いっぱいに広がるのは、綺麗に整った顔。



今私の唇に触れてるのは…副長の、唇。



「―――っ!」



驚いて目を見開いたと同時、すぐに副長の顔が離れた。



「あの…えっと、これは…?」



きっと今私は、すごく間抜けな顔をしてると思う。



ポカンと口を開けながらそう言った私を、見下ろす副長。



距離はまだまだ数センチという距離だから、まともに呼吸ができない。



「暑くておかしくなったみてーだな」



すっと目を細めて、こちらを見つめる。



どこか甘い声でそう囁き、もう一度キスをされた。



私も…暑くて、おかしくなってるみたい。



心の中でそう呟いて、そっと目を閉じた。










「へーえ、やりやすねィ?土方さん」



唇が離れ、見つめ合う2人。



そこに落ちてきたのは、楽しげなそんな声だった。



「なっ…!」



「沖田隊長!?」



慌てて離れる私達を見下ろし、口角を上げた沖田隊長。



頬が暑くて、焦って顔を手で仰いだ。



「土方さん、俺の美優をとってもらっちゃ困りまさァ」



「…いつからお前のになったんだよ」



イラッとしたように沖田隊長を睨む副長。



2人の間に火花が見えて、クスリと笑ってしまった。



――――――暑さは人をおかしくする。



少し女の子らしくなれた私は



そっと、副長の手を握ってみた。



どんな表情をするか見てみたくて顔を覗いてみたけど



「………」



耳まで赤くして、そっぽを向かれてしまった。






――――――――――――――――――――



遅くなってすみませんでした、うさ様><!


リク通りにできていたか心配ですが…


楽しんでいただけていたら嬉しいです(*^▽^*)


よければ次回もリクしてください^^


今回はリク、ありがとうございました(^-^)/



そして読んでくださった皆様、ありがとうございました!



ここのところ予定がいっぱいでPCに触れる事ができず;;


少し放置気味になってしまいごめんなさい;


夢小説ランキングもだだ下がりで(ノДT)!


これからもっと頑張りたいと思います><



ポチッとしていただけると幸いです(/ω\)!



I LOVE 銀魂=夢小説ROOM=



次は優鈴様からのリクエスト