銀魂トリップ夢小説~迷子~7(長編)
~万事屋~6 のつづきです!
どうぞ
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迷子
「・・・ダメだ」
そう言った銀さんの言葉に、状況がよく理解できない。
「ちょっ・・・銀さん、何言ってるんですか!?」
「なんでアル!?」
すかさず、2人は銀さんに問いただす。
私はといえば、ぼーっと突っ立っているしかなかった。
「ダメっつったらダメだ。・・・さ、銀さんジャンプ買ってくるわ」
そっけなくそう言い残し、玄関へと歩き出す。
「銀さん!理由を言ってくださいよ!!」
そう叫ぶ新八の声も虚しく、銀さんは出て行ってしまった。
申し訳なさそうな新八の顔が、逆に苦しかった。
「すいません・・・あの、僕もう一度銀さんに言ってきます!」
そういって走り出そうとした新八の腕を、私は止めた。
「・・・いいんです。なんか、ごめんなさい。
きっと、そこら辺ブラブラしてるうちに元の世界へ帰れますよ」
そう無理に笑って見せると、新八が口を開く。
「そんな!ひよりさん、まだよくこの世界のこと知らないのに・・・!」
「大丈夫ですよ。言ったでしょう?私は銀魂が大好きなんです」
私はそう言って、玄関へと向かった。
「ピヨ・・・私ピヨともうちょっとお話してみたいネ!」
悲しそうな顔でそう言う神楽に、なんだか申し訳なくなる。
「ごめんね、神楽ちゃん。私の事助けてくれてありがとう。新八さんも。
迷惑かけてごめんなさい。ありがとうございました・・・」
神楽と新八の悲しそうな顔が見えたが、あえて目を伏せて玄関の扉を閉めた。
「万事屋をでたはいいけど・・・これからどうすっかな~」
新八が言ってたことは正しかった。この世界のこと・・・なんにも知らないや。
道が分からなきゃどこにも行けない。宿屋とか、あるのかな?
・・・・・・・まさか、まさかあんな風に言われるとは思っても見なかった。
すんなりOKしてくれて、万事屋として過ごしていける!!・・・そう思ってたのに。
なんだか、胸が苦しい。せっかく銀魂の世界に来ても、すべてハッピーに行くとは限らないんだ。
何故、銀さんはダメと言ったのだろう。
理由くらい教えてくれてもよかったのにな・・・。
「はぁ・・・」そうため息をついていると、前方に真撰組が群がっているのが見えた。
何かあったんだろうか。
隊服を着た男たちがなにやら叫びながら走り回っている。中にはバズーカを持った人までいた。
「本物のバズーカだ!!!」
驚いて口を開けてしまう。
「てめーら!是が非でも逃すんじゃねーぞ!!!」
真選組の群がる中、そう少しハスキーな叫び声が聞こえた。
なんだか聞いたことのある声な様な・・・
そう思い、声のするほうへと目を向けた。
声の持ち主を見て、また口が開いてしまった。
黒髪に動向開き気味の目。
強面だが、誰もが振り向くような整った顔。
手に持ったタバコ。
土方・・・十四郎!?
「うそっ・・・」
驚きと感動で手で口を覆っていると、また後ろから聞き覚えのある声がした。
「あれ、あんた」
「へっ!?」
慌てて振り向くと、そこには朝に会った総悟がいた。
「・・・朝の迷子娘(まいごむすめ)」
あ。と言うような顔で私を見て言う総悟。
「迷子娘じゃありません。ちゃんとひよりって名前があります!」
「ふーん。で、まだ迷子ですかィ?」
表情一つ変えず話す総悟に話しにくさを覚える。
何を考えているのかまったく分からない。
「“まだ”っていうか・・・“また”です。真選組のみなさんは何をやってるんですか?」
「ちょいとここいらに桂がでてねィ」
そういう事か。みんな桂さんを探してあんなに騒いでいるのか・・・
っていうことは、近くにいるんだ・・・!
「なんですかィ?嬉しそうですねィ」
ワクワク感から目をキラキラさせていると、総悟にそう問われる。
「え!?いや、別に・・・!それじゃあ私はここで・・・」
このままここにいるのも危ないだろう。そう思って移動しようとした。
「総悟ー。テメー仕事サボってナンパかコラ」
すると、そう後ろからドスの効いた声がした。
この声ってさっきの・・・
「土方さん。迷子でさァ」
土方さんだ!!!
「迷子だぁ?随分とでけー迷子じゃねーか。上京したてか?」
特に疑うことなくタバコの煙を吐き捨てる土方。
「あ、はい。田舎から出たばかりなもので、ここら辺もうさっぱりで・・・」
話してもややこしいだけなので、嘘をつくのは好きではないがそう言っておくことにした。
「そうか。なら行き先を教えろ。一応こっちは警察だ、つれてってやる」
カッと目が見開き上から見下ろされる。
なんか・・・怖いんですけど。
「行き先ですか・・・えぇっと・・・」
どうしよう。行き先なんかないのに・・・
悩んでいると、土方さんが私の後ろを見てまた瞳孔を開かせた。
「おいっ。総悟!」
「へい。・・・ひよりは下がっててくだせェ」
「え?」
何故なのか分からず、総悟を・・・後ろを振り向いて驚く。
そこには、何十人もの男たちが刀を抜いていた。
「真選組副長、土方十四郎とお見受けする」
きっと、攘夷志士だろう。
・・・怖い。それを見て、後ずさってしまう。
「土方さん、呼ばれてまずぜ。そいじゃ俺は帰りまさァ」
「ふざけんなよテメー。お前も手伝え」
「嫌でさァ」
総悟の言葉に土方さんがまたキレるのは言うまでもない。
土方さんと総悟のケンカはやっぱりおもしろいな。
そう思いながらクスクス笑っていると、誰かに腕を引っ張られた。
「騒ぐんじゃねーぞ」
がっしりと体を固められ、耳元で聞こえる声。
背筋が凍った。
私の首元には、鋭い刀が傾けられていた。
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やっと書けた~!!!
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