大腸がん腹膜播種・難病併存症例 | 「あとは緩和」といわれたら

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少量抗がん剤治療(がん休眠療法)で
元気に長生きを目指す ー


クローン病
http://www.nanbyou.or.jp/entry/81


口腔から肛門までの全消化管に,
非連続性に慢性肉芽腫性炎症を生じる
炎症性腸疾患.

厚生労働省より特定疾患に指定をされている難病.

大腸がん術後,腹膜播種,がん性腹水の患者さん.

クローン病の病状自体は落ち着いているのだが,
こういった難病併存症例に対しての
低用量抗がん剤治療は経験が無かったため,

チャレンジケースであることを
ご理解頂いた上で,治療開始.

 

 

 

 

 

 


 

まぁ,案ずるより産むが易し.
 

治療を開始してみたが,
今のところ特に有害事象は認めない.

不思議なことに,
過去に行った標準量の
FOLFOX+アバスチンでPD(病状進行)だったのが,

低用量のFOLFOXで
病状コントロールが出来ており(SD:不変),
なんやかんやで1年以上が経過した.


画像も腫瘍マーカーも落ち着いている.
 

地元の主治医も内心『???』ではなかろうか.

 

同じような薬剤の組み合わせなのに,
薬剤投与量をぐんと減らすと効き始めることは
他臓器がんでも時折,経験する.

例えば,
婦人科がん領域のTC療法(タキサン+白金製剤)の
標準量でPD(進行)だった症例が,

低用量のTC療法にしたところ治療効果を見たり・・・と.

 

本症例,

しばらくすると貧血が進んだので,
抗がん剤との身体の相性が悪いのか?
それとも,クローン病が活動性になってきたのか?

と懸念したが,
 

単に鉄欠乏性貧血だったようで,
鉄剤投与で正常値となった.
 

それ以外,
今のところ,上手くコトが運んでいる.