第10回がんワクチン療法研究会学術集会を終えて ② | 「あとは緩和」といわれたら

「あとは緩和」といわれたら

少量抗がん剤治療(がん休眠療法)で
元気に長生きを目指す ー

 

 

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一応,真面目に発表してきましたよ,という証拠写真.

 

 

さて,今回,

教育講演として
『泌尿器がんに対するペプチドワクチン療法』
近畿大学・泌尿器科
植村天受 教授

 

 

 

特別講演として
『がんワクチンの挑戦』
東京慈恵医大・DNA医学研究所
本間 定 教授

 

の御二方の非常に興味深い話を拝聴できた.


もともと,泌尿器領域のがんは,
他の固形がんと少し性格を異にするとところがアリ,
BCGやIL2(インターロイキン2),IFN(インターフェロン)
といったものを使用した免疫療法が,
昔から治療として普通に応用されていた経緯がある.

その延長上としての,
ペプチドワクチンを含めた
新しい世代の免疫療法が,どのように治療に
取り入れられていくのか興味深いところである.


また,
特に最近興味を引かれていた
“Immune checkpoint”をターゲットにした
抗PD1抗体薬,抗PDL1抗体薬についても
かなりの情報を得ることができた.

http://ameblo.jp/gin-nami/entry-11568866818.html


実際,日本でも臨床治験が始まっている.

詳しくは書けないが,
たぶん,ここ2,3年で,免疫療法の世界は
大きな転換期を迎えるのではないだろうか.



本間 定 教授の話はインパクト強ぎてやばかった.

ペプチドワクチンや樹状細胞療法で抗腫瘍効果を期待して
がん抗原として現在使用しているものがほとんどがん制御の

ために機能していないのではないか・・・と.

免疫細胞ががん細胞を認識する際に使用しているのは,
実は,名もない腫瘍抗原である可能性があると.

結構,衝撃的な話.

ところが,その理由付けは,推論の域ではあるものの,
なるほどと納得がいく.


まぁ,コレも現時点で詳細にご紹介できないのが残念,

個人的には,目からウロコの有意義なセミナーであった.

当院の非常勤医師の
東京女子医大脳外科の丸山隆志先生も

『いやぁー,今日は勉強になった』と満足げ.

感じたところは同じようだ.

大野忠夫代表取締役,お疲れさまでした.

正直,その辺の学会より
はるかに良い学術集会だったと思います.