【メロキュンプレゼンツ!!《ハッピー♡プレゼント!!》】
~Russian of Secret 6~
「――”貴方を愛しています…KからRへ”――…」
焦りながらも知らないフリをする彼女の耳元で…俺はそっと静かに そう囁いた――…。
* *
君からのプレゼントの箱を開けて…例の指輪のデザインを見た瞬間…俺の心は舞い上がった。
君も…君も俺の事を想ってくれていたんだ…と。
Я люблю тебя. Для R от К
(ヤ リュブリューティビャ デリャアールォートカァ )
――貴方を愛しています KからRへ―――。
そう…確かに この指輪には君の”秘密の独占欲の証”…そして俺への愛情がしっかりと刻まれていたのだから――…。
…もう逃がさないよ…最上さん…。
どれだけ君が しらばっくれても…君が俺を愛してくれている”証拠”が俺の胸にちゃんと着いているんだからね…。
そして…俺がどれくらい君の事を愛しているのか――…これからじっくりと教えてあげる――…。
* * *
私は…真っ白になって何も考えられなくなった頭の隅の方で…微かに敦賀さんの声を聞いていた…。
「Я люблю тебя..... Для R от К...........」
「”Для R от К”って…日本語に訳すと”KからRへ”だよね…?」
蓮はそう言って妖艶な笑みを浮かべた後、キョーコの瞳を見つめながら…指輪に軽くキスをした。
まるで…前にコーンの青い石にキスした時と同じように――…。
その蓮の…人を惹きつけてやまない色気にキョーコは魅了されて…思わず見とれて瞳が離せなくなっていた。
『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・』
また…キョーコは突っ立ったまま動けなくもなっていた…。
椅子に座っている蓮が彼女の腰に両腕を回しているせいもあるが…それ以上に…蓮がさっきから自分に対して愛おしくて…愛おしくて堪らないような表情を見せるからだった。
蓮は上目使いでキョーコに優しく微笑んだ。そして…彼女は真っ白ではなくなって来た頭の中で…色々と考え始めた。
一体何なの…どうしてそんな…そんな愛おしくて堪らないような表情で…私の事を見つめるんですか…?
ダークムーンの嘉月の時よりも…ずっと…ずっと…。貴方には好きな人がいる筈なのに…。
…私の勘違いなのに…勘違いだと分かっているのに…”愛されている”ような錯覚をしてしまって…もう…これ以上自分の気持ちを隠せないじゃないですか――…!
あぁ…もう…もう…ダメよ…どっちにしろ…その指輪で私の気持ちはバレてしまったのだから…。
…だったら一層の事…一生墓場まで持って行くつもりだった私のこの溢れ出して止まない想いを…もう全てぶつけて砕けちってしまおう…!!
キョーコはぎゅっと目を瞑って…覚悟を決め始めた。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・最上さん・・?」
…10秒ほどした後にゆっくり…と目を開き、そして…愛おしくて…愛おしくて堪らない…切ない表情で、蓮の顔をじっと見つめ出した――…。
今までずっと無理やり自分の心の奥底で抑えていた為に、それを一度 開放すれば…もう蓮を愛しいと想う気持ちは溢れ出して…溢れ出して来て止まらない――…。
更に…もうこれからは迷惑になるので蓮の傍にいる事すらで出来なくなる…。
そう考えると感情が高ぶり…キョーコの瞳からは…自分でも気付かないうちに涙が零れ落ちていた…。
そして…静かにキョーコは自分の想いを口にし始めた――…。
『・・・・・・・・・・・・・・・・敦賀さんが悪いんですよ・・・』
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・?」
蓮はキョーコの表情の変化と…切ない雰囲気で涙を流す彼女に動揺し…思わず椅子からそっと立ち…そして目を見開いた。
キョーコの腰に回していた手を片方 彼女の顔の方に持っていき、指で優しく頬から流れ落ちた涙を静かに拭う…。
『…敦賀さんが…。…貴方が…私の心を惹きつけて離してくれない…から…!』
…好きです…敦賀さん…。
キョーコはその後…上目使いで蓮の瞳をじっと見つめたまま…告白を続けた…。
『何度も…何度も自分の中の…貴方への想いに蓋をして…鍵を何重にも掛けて封印しようとしたのに――…。』
…好きなんです…貴方の事が…。
『いつも…貴方が…無意識に私の心の鍵を抉じ開けようとするから…!もう…鍵穴は1年前に壊れてしまいました…。』
たとえこの想いが届く事は無いと分かっていても――…。
『…壊したのは…貴方ですよ――…。』
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
『…私は…貴方の事が…どうしようもないくらい好きで…好きで堪らないんで――…っ…んっ…』
気が付けば…蓮にキスをされていたのだが…キョーコは一瞬自分の身に何が起きたのか分からなかった。
最初は唇と唇がそっと重なり合う優しいキスから始まった――。
その後…蓮は愛おしくて…愛おしくて堪らない表情でキョーコの瞳を見つめ――…。
「.....Я люблю тебя.........キョーコ.....」
(愛してる…。 ヤ リュブリューティビャ)
そう囁いた後に…そのままゆっくりと…彼女の顎に手を置き、親指で顎をくいっと押した。
すると…自然とキョーコの口が軽く開き…そして…気が付けばお互いの舌が絡.み合う…甘い…甘いキスになっていった――…。
お互いの体温がどんどん上がっていき…キスに慣れていないキョーコが呼吸をしようとする度に、甘い吐息の声が漏.れる。
『……ッ………ッん…………ぁ…ん』
そうして…暫く激.しいキスを交わした後…蓮はキョーコを ぎゅっと抱き締めた――…。
あまりにも突然で全く予想していなかった出来事に…キョーコは頭の中でぐるぐると考え始めた。
何…?今一体何が起こったの――…?
私・・・・・・・。敦賀さんに・・・・・キスされた・・・・・・・。
どうして…?貴方には他にちゃんと好きな人がいるのに…?
…それとも今貴方はカイン兄さんなの…?
そのまま蓮にぎゅっと抱き締められたまま…キョーコは固まっていた。そして…暫くして蓮が優しい声で彼女の顔を見つめながら語り掛けた。
「ねえ…最上さんは アメリカやイギリスでのバレンタインは…どういう風にするのか知ってる…?」
…はい…?今度は…突然アメリカとイギリスですか……??!もう…敦賀さんは一体何を考えているんですか…!
死刑台で気まぐれにじらさないで…さっさと処刑して下さいよ…!
キョーコの頭の中の混乱は益々悪化していった。
『え…と…確かあっちでも恋人の日なんですよね…?”Be my valentine(私の恋人になって/ビーマィヴァレンタイン)”って言葉くらいなら知っていますけど…』
「そうだね…でも向こうじゃ男性から女性に、プレゼントを渡すんだよ…」
『へえ…そうなんですか?』
「うん…だから…俺も最上さんにプレゼントを用意したから…受け取ってね…?」
え…?カイン兄さんがセツカにじゃなくて…”敦賀さん”が”私”に…?
そして…蓮はコートから小さな箱を取り出してキョーコに渡した。
「…開けてみて…」
キョーコは…訳の分からなく混乱状態のまま…小さな箱を開いた。
『え……? 赤いハート型の…ルビーの指輪…?…これを私に…?』
「…うん…最上さん…。 君に……。」
一体これはどういう事…?
どっ…どうしたらいいの…っていうか…こんな事されたら…もう本当に勘違いしてしまうじゃないですか…!!
しっ…心臓が…ドクドクいってる…。 …ダメよキョーコ…勘違いしちゃ…!!
『あ…内側に何か文字が入ってる…?』
「うん…。君なら…この文字の意味…理解出来るよね…?」
そうして…蓮は再びキョーコをぎゅっと抱き締めて耳元で…愛おしくて堪らない感情の籠もったセクシーな声で静かにゆっくり囁いた――…。
「......Я люблю тебя....Для К от R....」
(ヤ リュブリューティビャ デリャカーオートアール )
――愛してる――…RからKへ―――。
私は…再び真っ白になった頭の中で
敦賀さんの…ネイティブのような…
心地良いセクシーなロシア語にうっとりしていた――…。
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