【メロキュンプレゼンツ!!《ハッピー♡プレゼント!!》】
風月様 ピコ様 魔人様
素敵な企画に参加させて頂いてありがとうございますヽ(o´―`o)〃
~Russian of Secret1~
ヒール兄妹を演じ始めた頃から約1年が過ぎて…私は18歳になっていた。
BOX"R"で演じたナツはいじめ役だったにも関わらずそれなりに評判も良く、あれから仕事も増えて…順調に進んでいる…ハズだった…。
”愛の演技”…というか…”愛される演技”に挑戦する前までは…。
敦賀さんへの恋心を自分で認めてからは…”愛の演技”も少しずつこなせる様になっていたし、正直なところ”愛される演技”も自分の”演技力”で何とかなると甘く考えていた。
しかし…実際に演技をしてみると、緒方監督から何回もNGと言われて撮影は全く進められなかった…。
「…もっと…ここは竜也(相手役名)に大切にされて、安心感が伝わるような表情を…」
”大切にされて、安心感が伝わるような表情”…?
「そこはお互いが愛し合っている事が実感出来て、幸せそうな雰囲気を…」
”愛し合っている事が実感出来て、幸せそうな雰囲気”……??
そんなの何回やり直しても出来る訳がないじゃない…そんなモノ…私は理解出来ないのだから……。
そして事務所に戻ると、とうとう社長さんに呼び出された。
”愛についてどう考えているのか”と聞かれたけれど、私はうまく答える事が出来なかった。
今から約1年前に…事務所の先輩である敦賀さんに対しての”恋心”は自分の中で認めたけれど…。
彼には”好きな人”がいるし、いくら私が敦賀さんの事を好きでも…一方的なこの想いはどうにもならないじゃない…?
それに…例えば想いが通じたとしても…それは本当に信じられるモノなの…?
信じて…もしまた裏切られたら…?
相手の気持ちが…変わってしまったら…?
愛し合って…愛を誓った時は本気でも…その後に別れてしまったカップルだって沢山いるじゃない…?
”永遠の愛”なんてモノは存在しない…信じられない――…。
そう社長さんに話したら、”これから1週間 ドラマの撮影現場には行かなくていい”と言われた。
”代わりにラブミー部としての依頼をこなして来たまえ”…と。
でも社長さん…!!
この依頼は…嬉しいような…気まずいような…どうしたらいいのか分からないんですけど…!!
現在「トラジックマーカー2」を撮影している敦賀さんことカイン兄さんと、セツカとして過ごして来いですって?!
「トラジックマーカー2」では私のスケジュールが忙しかったから…セツカはイギリスに居るままの設定だったのに…。
それに…今回は別にホテルの部屋の中でまで…完璧に役に入り込まなくても別にいいって…?!
一体どういう事ですか…?
敦賀さんとホテルで2人きりで、素のキョーコのままでなんて無理ですよ…!
演技の稽古にもならないじゃないですか…?!
セツカになり切りますよ…私は……。
そして…明日から…って…もしかして2月9日から15日までの1週間ですか…?
敦賀さんの誕生日とバレンタインデーがある週じゃないですか……!!
どうして今週なんですか…!
明日 私はオフの予定だったから…ギリギリになるけど、敦賀さんの誕生日プレゼントを選びに行こうと思っていたのに…。
セツカとしても自然に渡せて、敦賀さんに向けたプレゼントって…一体何がいいかしら…?
ヒール兄妹の事は極秘ミッションだから、モー子さんに相談する事も出来ないし…!
あぁ…プレゼントどうしよう…?!
そして…バレンタインまでずっと一緒なの……??!!
一体私は敦賀さんとどう過ごしたらいいんですかーー?!
* * *
「トラジックマーカー2」の撮影が始まって暫くした頃、俺は社長に呼び出された。
”最近の調子はどうだ?”って…。
どうってまぁ…別に…普通なんだけど…ただ横にセツが居ないだけで…。
最上さんとはこの映画の撮影が始まってからは1度も会えていない。
本当は…セツとして彼女が傍にいてくれたら…と何度もそう願ったけど、彼女にとってセツはマネージャー的な仕事。
役者として忙しくなってくれば…セツの仕事は出来なくて当然だ…。
そして…社長は突然俺に直球な質問をして来た。
『蓮…お前は”愛”について…どう考えている?』
どう…って…突然そんな事言われても…。
『…まぁ…今すぐには答えなくていい。その代わり…1週間後にじっくりと聞かせてもらおう。』
はい…?1週間後…?!
『最上君にラブミー部として依頼を出しておいたから。後はよろしく頼むなっ蓮!』
社長はそう言うとポンと俺の肩に手を置いて、ニヤリと微笑んだ。
ん…?依頼…?一体何の……?
…何だか…とてもイヤな予感がするのは俺の気のせいか…?!
『最上君にセツカとして、明日から1週間過ごしてもらうように頼んでおいたからな…!』
「…え…っ?!ほ…本当ですか…?!」
『あぁ。その間はお前の仕事もカインのみだ。』
そして社長は真剣そうな顔で、今回の依頼の理由を話し始めた。
『…彼女は今、”愛される演技”に行き詰っている…。』
それを聞いてふと思った…。今までの彼女の育った境遇を考えると…行き詰っても おかしくないかもしれない…と。
『そこでだ…。お前に頼みがある。…最上君に”愛され方”を、教えてやってくれ。』
”愛され方”――…。それを俺が彼女に…?
『そして…今回は別にホテルの部屋の中でまで、真面目に”役”に入り込まなくてもいい…と彼女には伝えてある。』
「…え…?どういう事ですか…?」
『どういう事も何もそのままだ。素の最上君と接する時間も必要だろう…?』
セツカじゃなくて…最上さんと話せる時間が作れるって事か…。
『…蓮よ…お前にとって…最上君の存在は何だ…?』
…そんな事…今さら考えなくても…答えはしっかり出ている――…。
「…生涯に1人の…俺にとって…掛け替えのない…大切な女性です…」
『それなら問題は何もないじゃないか…!お前もいい加減 覚悟を決めたらどうなんだ…?』
『グズグズしていると、他の男に持ってかれてしまうぞ…?それでもいいのか…?』
「…よくないです…。」
そんな事…考えたくもない…。彼女は俺の物だ――…。
『だったらしっかりと彼女の心を掴んで来い…!そして”愛され方”を教えてやれ…!』
「…分かりました…!!」
明日から1週間…て事はバレンタインデーがあるし、丁度いいかもしれないな…。
日本では何故か女の子が好きな人にチョコレートをあげて、想いを告げる日になっているけど…
英米では男性が好きな女性にバラの花束と共にプレゼントを渡す愛の日だ…!
俺は何をプレゼントしようか…と考えながら社長室を出ようとした。その時、社長が俺に向かって何か小さな箱をポイっと投げた。
『…あ…っと。そうだった…蓮!お前これ持って行け!』
その箱を受け取ってパッケージを見た瞬間、俺は固まってしまった。
…ひ…避.妊.具……?!
『今回は…”一線を越えるな”とは別に言ってないからな…!最上君も18だしもういいだろ…。』
”もういいだろ”って…それでも彼女はまだ高校生なんですけど…?
『ん…?何だお前その顔は…まさか使い方忘れたんじゃないだろうな~?』
そう言いながら何ニヤニヤ笑っているんですか…!
しゃっ社長ーー!!
協力してくれるのは嬉しいですけど…何だか…俺らで遊んでいませんか…??!
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以上で今回はプロローグ的な感じでした
ふふ…Laylaはカイセツ狂でございます( ´艸`)