昨日、山本征治さんの「赤ムツの龍鱗仕立て」のレシピから、中骨の活用法について書きました。
山本さんの技があまりに凄いので、解説する工夫のポイントを中骨だけに限定したのですが、それでもちょっと盛りだくさんでしたね。

今日は同じ赤ムツのレシピで本当に一つだけの工夫ポイントを取り上げてみます。
そのポイントは「皮の加熱」です。


$観察力/想像力を鍛える図化のブログ-皮揚げ

皮の加熱の前に、実はウロコも食べられるための準備をしているのですが、ここでは割愛します。
加熱の前にこの処理を施したウロコを皮に貼付けて、乾燥させてあります。

その皮を油で揚げて加熱するシーンが昨日のビデオの12:54あたりから進んでいます。
上の画像はそこから切り取ったものです。

普通の揚げ方ではありませんね。
油の温度は通常より高めの200℃です。
見た目で違うのは、「油が皮の部分だけを浸している=加熱している」ことです。
身の方は一切油に浸かっていません。

つまり、
1)骨と同じように熱が通りにくい皮だけを先に加熱するために、
2)バット状の油槽を使って槽の上辺ギリギリまで油を満たして、
3)赤ムツの身を真っ平らに串刺しして、
4)裏返して固定し、裏側の皮だけに油が浸かる

ようにしています。

これはTRIZの40の発明原理で見ると、
3.局所的性質 と 10.先取り作用 という2つの原理を活用していると解釈出来ます。

もしかすると、この2つは結構料理をするとき使い手のある考え方かも知れませんね。