物語図化法コンサルの古謝です。

前回記事では、一番最初に起きると思われることをはっきりとは書いていませんが、あの図から判断すると「最初に黒鉛とパルプ繊維の間で『付着』が起きている」ことを想定していますね。だからこそ、黒鉛が動こうとしたとき、動きを止めようとする力が生じて「動かす力と止める力が黒鉛の内部で引っ張り合って破壊が起きる」ことになる訳ですね。実際には、多分鉛筆の芯が繊維の角でガジっと擦れて削り取られる部分と付着している部分とが点在しているんだと想像しています。

さて、そんな風に紙に鉛筆で線を引こうとするとき、もし紙が湿っているか濡れているかしたとき、紙はどうなるかというと…次の2つがありそうと考えました。
1)繊維内に水分子が入り込み、膨潤して柔らかくなる 
2)繊維表面に少しの水が染み出て、薄い水の膜を作る


これらを踏まえて「濡れた紙にはどうして鉛筆で字がかけないんだろう?」っていう理由を考えてみると、以下2つの図のようになりました。

$観察力/想像力を鍛える図化のブログ-繊維変形


$観察力/想像力を鍛える図化のブログ-水膜形成

つまり
①'繊維が変形して潰れるから繊維の角が立たなくなる。
 だから、黒鉛の角が削れることがない。
あるいは、
①''繊維表面に水の薄い膜が出来るので、黒鉛と繊維が直接接触しなくなる。
 その結果、黒鉛は繊維に付着することなく、上を滑る。
ということです。

多分、両方あるのではないかと、書こうとしたときの感触やら、薄く書けた線が細くなる事等から推定しました。