やばい、3月ももう半ばだっ!
ということで、さっそく2月読了分の読書感想いきます。

■「越境フットボーラー」 佐藤 俊

日本サッカーもカズ・中田以来、様々な海外クラブに戦力として移籍するようになりました。
今で言えば、本田・香川・長友あたりの海外組にスポットライトが当たってますね。

しかし、このノンフィクションに出てくるフットボーラーは海外組といえども、全くスポットライトの
当たらない国にいます。トリニダードトバコ、モルディブ、インドネシア、etc・・・
しかし、それらの国にもプロサッカーリーグが厳としてあるのです。

そんなJリーグの舞台からは想像もつかない環境にショック&ショックです。
でも、彼ら陽の当たらない海外組の悪戦苦闘にも、いつのまにか感情移入し、
読み終えた後は、世界を2周半くらいしたような心地よい疲労感につつまれます。

ちなみに電車で読んでたんですけど、
本に没頭しすぎて降りる駅を乗り過ごしました(すいません)

(★★★・・・お時間あれば)

■「ビブリア古書堂の事件手帖」 三上 延

本屋大賞だかなんだかをとったらしいので、あんまり考えずに買いました。
買って2ヵ月後くらいに表紙のイラストを見ると・・・
マンガっぽい?ライトノベルですか?
マンガって、世間の大人が思ってるよりも奥深くて、文学や芸術だと思って読んでますが、
逆にライトノベルって、内容が薄くて下手なテレビゲームみたいなイメージです。

と、前置きが長くなりましたが、古本とそれにまつわる代々の持ち主のお話というのと、
各話読みきり形式っぽいというので、時間があるときに読んでみました。

しかーし、初対面の印象とは打って変わって、本を読んでてこんなにドキドキしたのは
久々でした(笑)
古本と持ち主の他に、古本屋に勤める本大好きな女性と全く本の読めない男性店員にプラス、
ミステリーというスタンスアイテムで話が進んでいきます。

古本にまつわるミステリーというのがまた、実際の古本の内容と絶妙にリンクしていて
各話読み終えた後、なんとも言えない爽やかな風にさらされた気分になります。
どんどん、どんどん読み進めたくなります。

(★★★★・・・おすすめ)

■「浦和フットボール研究所 2011」 島崎英純 / 福田正博

2011年の浦和レッズの戦いっぷりは最悪でした。
2007年にアジアの頂点に立ったにもかかわらず、何でこんなに弱く(15位)なったの?という
日ごろの疑問を解決したくて読みました。

はい。理由分かりました。
サッカーってのは、試合に出てる選手11人が上手いだけじゃ勝てないんです!
浦和レッズはクラブとしてのマネージメントがちっとも出来ていないのでした。
どこに病巣があるのか書いてあります。
マネージメントに興味ある人にもお役立ちになるのではないでしょうか?

ま、なにはともあれ、浦和レッズサポーターはやめられないんですけどね。

(★★★・・・お時間あれば)

■「ビブリア古書堂の事件手帖2」 三上 延

さきほどの古本の本です。
続きがあったら読みたいなー、読みたいなーと思っていたら、
続き、ありましたYO!

でもですね、びっくりなんです。この巻は、ぜーんぜんドキドキしないんです。
絶妙なミステリーはどこへやら。
古本と話の中身との関係に必然性がありません。
期待とは裏腹に、読み進めていくのに疲れました。

(★★・・・オススメしません)

2月読んだ"本"は以上で終わりですが、マンガとか雑誌とか紹介したいのがあるので、
番外編を書こうかなと思ってます。
(こういう予告をしておいて、その後ちゃんと書いた覚えはありませんけどね)
突然ですが、毎月読書感想文を書いていこうと思います。
目指せ年間100冊!
※独断と偏見の★を1~5で付けて、★5を満点にします。

■「思いわずらうことなく愉しく生きよ」 江國 香織

NHKドラマ”カレ、夫、男友達”の原作です。
ドラマをたまに見てて、各シーンで毎回衝撃を受けていたので読んでみました。

30代の3姉妹が題名の通りに思いわずらうことなく生きる物語です。
彼女たちの言動はまったく自分には無いものですが、そのエネルギーには
とても圧倒されました。
とは言っても、男も負けじと力強く生きてゆかねばなりません!(笑)

(★★★★・・・おすすめ)


■「ピース 」 樋口 有介

大宮駅中で大々的にディスプレーされていました。
埼玉県秩父市という、自分と多少ゆかりのある地域を舞台にしたミステリーということなので、
手にとってみました。

ミステリーといえばアガサ・クリスティーばかり読んでいたので、たまには日本人のも
と思い、期待を持って読んだのですが・・・
登場人物の誰にも感情移入できなかったので、犯人明かしにも「あっそう」で終わりました。

人間を描く小説である以上、ゲームでは無いのですから、”意外なラスト”だけでは
読む価値が無いと思いました。

(★★・・・オススメしません)


■「フットボリスタ主義」 木村浩嗣

サッカー雑誌footballistaの編集長コラムの傑作選です。
Jリーグブームからサッカー雑誌は生まれては消え、ワールドカップで生まれては消えを
繰り返しているのですが、この雑誌は他にはないコンセプトで存在感を示しています。

そんなキラリと光るサッカー雑誌の編集長のコラムですが、独白に近いです。
いや、コラムってイコール独白か?
サッカーを通して、人間や社会を見ています。

日本を見つめる目と問題意識にとても共感しました。

最終章あたりで作者は失恋をしたのか、独白中の独白が綴られており、サッカーが
どっか飛んでしまっています。
ここだけはあまり読んでて気持ちよくないです・・・ので★ひとつ減らします。

(★★★★・・・おすすめ)

■「13階段」 高野 和明

ミステリーコーナーで、さきほどの「ピース」の隣においてあったので、2冊買えば
どっちかは面白いだろうと思って買いました(適当)
しかし、この作戦は成功をおさめるのです!

殺人を犯した仮出獄囚が冤罪の死刑囚を救うべく証拠集めに奔走するというお話。
ん、普通っぽい?
しかし、この仮出獄囚や彼と行動を共にする死刑執行人の心の葛藤、死刑制度に対する
疑問など、心揺さぶられる場面がたくさんあります。

寝る前に読み始めて、夜中の4時頃まで息を殺して一気に読んでしまいました。
でもラストちょっとズルいと思いました。
よって、「ピース」と合わせて満点です(笑)

(★★★・・・お時間あれば)