極楽町一丁目 嫁姑地獄篇 | 戯画ミックス

極楽町一丁目 嫁姑地獄篇

二階堂 正宏
極楽町一丁目 (嫁姑地獄篇)

「もしかして私、あなたに大変な負担をかけているんじゃないかしら。」

「まア なにをおっしゃいますの、お義母さま。

 わたくし何か気にさわることでもいいましたでしょうか。」

「いえ ただフトそんな気がしたものだから・・・。」





 夫は海外に出張中、そしてお姑さんは5年前から寝たきりに・・・、本作は永遠のテーマ嫁姑の確執を描いた漫画です。

 嫁姑モノといいますと、どこかドロドロしたものを感じずにはいられないのですが、「抒情性がこめられた線」で描かれた本作ではそういったものを感じることはありません。





 基本的に、作品の流れは、

①お姑さんが何かを、お嫁さんにお願いする。

②お嫁さん、聞き間違えたフリをして、お姑さんを殺害しようとする。

③お姑さん、お嫁さんを投げる。

④お嫁さん:「○○と聞こえたものですから・・・」

 お姑さん:「まア、そうだったの・・・」

といった感じで進んでいきます。





 お姑さんは、明らかにお嫁さんの殺意を知っているのですが、お互いに言いたいことを言えない。そんなもどかしい関係をうまく表現できていると漫画だと思います。お姑さんにとってお嫁さんは可愛い息子のお嫁さん、そしてお嫁さんにとってお姑さんは愛する夫のお母さん、お互いに憎しみあう理由はどこにも無いのに、どこかモヤモヤしたものが胸中にある・・・、本当に難しい問題です・・・。








   一丁目1

殺る気マンマンのお嫁さん。ちなみに、この時のお姑さんのお願いは「台風の無い所に行きたい」。









   一丁目2

    お姑さんの反撃。おそらく合気の達人。