アペラシヨン・プイィ・シュル・ロワールと同じくプイィ・フュメの違いは何かと云うと、葡萄がシャスラ・ブランかソーヴィニョン・ブランかということであり、栽培地域は全く同じである。

昔と云っても1970年代は結構植えられていたシャスラ・ブランは1980年代になってからソーヴィニョン・ブランに植え替えられてしまった。プイィ・フュメの方に人気が偏り、値段も高値で売れるからソーヴィニョン・ブランに植え替え、アペラシヨン・プイィ・フュメで売ろうとした生産者が次から次へと現れ、結論としてプイィ・シュル・ロワールのワインは殆ど見掛けなくなった。

 

人気薄のシャスラ・ブランであるが、ローヌでは昔希少な葡萄として高値で珍重されていたヴィオニエに注目して頂きたい。

拙ブログではこちらこちらに載せているがヴィオニエという白葡萄、昔は北部ローヌのそれも限られた地域でしか栽培されてなかったため高値で取引された訳だが、2018年には何と 6,740ha も栽培されている。5年前のデータだから現在は 7,000ha を超えているかもしれない。

しかし依然としてシャトー・グリエやコンドリューは高値のままである。まあ、高いワインを飲みたがる人が大勢居られるわけなのでビジネスとしては「希少葡萄」のままで喧伝するのだろう。ちなみにヴィオニエ100%のワインは南仏で普通に見掛けるようになった。

 

さて最新流行の白葡萄は何だかご存知だろうか?

 

我がワイン大学定例会ではすでに披露済みだが、世間一般に知られるようになるのはまだまだ先の事であろう。即ち高値になってしまってから世間の人は騒ぎ始める訳なのだ。

 

始めからお高いワインと云えばロマコンだけだったであろう。ペトリュスはケネディ一家が飲んでる話で価格が高騰し、点数付け評論家の100点で高くなっただけ。アルザス・トリンバックのクロ・サンチューンは一部を除いて銀座の某レストラン専売になってしまったらしいが、我がワイン大学では当時流通していた殆どのヴィンテージを披露した。またアンリ・ジャイエのワインは1990年代に我がワイン大学定例会でクロパラからリッシュブールまで披露した。

 

貴方は高くなってから飲むのがお好きだろうか? 

 

私は安くて美味しいワインを飲みたいだけである。