久し振りに「フランスで栽培される葡萄のサイト」を拝見したら、なんとフランスでは忌み嫌われた白葡萄、その名もグエ・ブランが新しく2021年から載っていることを知った。

このサイトに載っているということは「フランスで実際に栽培されている葡萄」である訳で決して絶滅してしまった葡萄ではない。フランスでは随分昔に姿を消した葡萄というのは事実では無いということを強調したい。

VIVCのサイトはこちら 、元々は原産国オーストリアとなっていたのだが現在は原産国はブランクになっている。

原産国がオーストリアだったので正式名称が HEUNISCH WEISS ホイニッシュ・ヴァイスというドイツ語的表記(ドイツでの正式な表記は Weißer Heunisch )な訳で、もし原産国がフランスと変更になれば正式名称は表題の Gouais blanc グエ・ブランと改められるであろう。個人としての意見だが、私はフランス原産であると思う。その理由は子孫の大半が原産国フランスであることだ。

フランスではグエ・ブランと呼ばれるこの葡萄の子孫は非常に数多く存在し、もっとも有名なのはシャルドネ・ブランであろう。その他一般に知られている葡萄ではアリゴテ、コロンバール、ガメイ・ノワール、グロロー・ノワール、ジャケール、ムロン、メリエ・プティ(一般にはプティ・メリエ)、モレット、ミュスカデル、ラフィア・ド・モンカード、リボッラ・ジャッラ、リースリング・ヴァイス、ロモランタン、サシー、そしてフランス以外だがギリシャの葡萄クシノマヴロもその子孫であり、現在までに判明している子孫の総数は 137 となっている。

グエ・ブランの今判明している子孫の数137のうちフランス原産である葡萄の数は何と76、葡萄は樹木であり、脚を持たないので原産国周辺でしか交配することは不可能である。子孫の葡萄の55%以上がフランス原産である以上グエ・ブランの原産国はフランス以外に考えられないはずだ。

という訳で将来近いうちにVIVC の正式名称は HEUNISCH WEISS から GOUAIS BLANC に変更されるであろうと予言する。