次の品種10 mourvèdre ムールヴェドル もフランス語のシノニムで正式名称はスペイン原産のMONASTRELL、モナストレルであります。

シラーに次いで植え付け面積では第3位となる主要品種と申し上げても構わないでしょう。

VIVCの分類による品種番号は7915でシノニムは92存在するとしています。

11 muscardin ミュスカルダンはフランス原産の固有品種でシノニムは一つだけ、ミュスカルダン・ノワールがあるとのこと。

VIVCの葡萄品種番号は8184。

次の12 picardan は黒葡萄と白葡萄の両方が存在しますがここでは「B」と白品種としてありますのでpicardan blanc もしくはpicardinをシノニムとする葡萄品種を検索すると次の2品種が候補に挙がります。

A. ARAIGNAN
B. BOURBOULENC

ですがBは最初に取り上げていますのでAのアレニャンが正式名称の葡萄品種であります。

南フランスはプロヴァンス原産の品種です。

アレニャンって何なん? 聞いたこと無いように思うのですがこの際覚えて頂きたいと思います。

VIVCによる品種番号は527、シノニムは15存在しすべて挙げると次の通りです。

ARAGNAN
ARAGNAN BLANC
ARAIGNAN
ARAIGNAN BLANC
BIGASSE
GALLET
GALLET BLANC
GROSSE CLAIRETTE
MILHAUD BLANC
OEILLADE BLANCHE
PAPADOUX
PICARDAN
PICARDAN BLANC
PIQUARDAN
PIQUARDANT

さて次の品種ですけど「ピクプール」が前に付く葡萄品種でVIVCに登録されているものを列挙しますと

PIQUEPOUL BLANC
PIQUEPOUL BOUSCHET
PIQUEPOUL GRIS
PIQUEPOUL NOIR

と4種類もあります。

その内2番目のピクプール・ブーシェは交配で出来たワイン用ではない葡萄品種。

本題に戻りますが13 piquepoul blancピクプール・ブランは白品種、VIVCの分類では葡萄品種番号9295、シノニムは10あり、PICPOUL DE PINETが含まれます。

14 piquepoul gris ピクプール・グリに参りましょう。

これも一連のピクプールと同じくフランス原産の品種で葡萄果皮の色が「灰色」と認識される葡萄品種。

VIVCの葡萄品種番号は9297、シノニムは7種類でよく使われるものはピクプール・ロゼでしょうか。

次の15 piquepoul noir はその名の通り黒葡萄でVIVCの葡萄品種番号は9298、シノニムは20も存在します。

要するにピクプールと名が付く品種はPIQUEPOUL BOUSCHETを除き全てAOCシャトーヌフ・デュ・パープに使用出来ると云うことです。
これは前述のグルナッシュ関連の葡萄についても同じことであります。

残る品種は3つです。

16 roussanne はご存知コート・デュ・ローヌ原産の白品種でドローム県がその発祥の地でしょうか。

VIVCの分類では品種番号10258、シノニムは24存在するとのことです。

17 syrah は主要品種の一つですが最近の研究で分かったのは固有品種ではなくMONDEUSE BLANCHE と DUREZA の交配種だったのです。

MONDEUSE BLANCHEとは名前からしてお分かりの通り白葡萄、VIVCによると品種番号は7919で12あるシノニムの中にモレットと云うのが気になります。

一方のDUREZAはフランス原産の黒葡萄で品種番号は5桁の22231、デュレーザと読むのでしょうか、コート・デュ・ローヌはアルデッシュ北部原産の葡萄品種です。

シラーは葡萄品種番号11748、シノニムは沢山あり全部で75に達します。

さて最後の品種は18 terret noir テレ・ノワール、VIVCの分類では葡萄品種番号12384。

フランスはラングドック原産の黒品種で、テレ・ブラン、テレ・グリ、テレ・ノワールのテレ関連3品種のうちテレ・ノワールだけがAOCシャトーヌフ・デュ・パープに認められています。

ヨーロッパのワイン法に詳しいサイトからコート・デュ・ローヌ、シャトーヌフ・デュ・パープ を開くとやはり「Terret noir」とハッキリ規定されていることから他のテレ関連品種の追加はないはずです。

以上18種類の葡萄品種ですが如何でしょうか?

シラーが交配種とはご存知なかった方が多いはずです。