21世紀になって葡萄品種の遺伝子分析が進んでおり、従来の葡萄品種分類では辻褄が合わなくなってきました。品種も細かく分類作業が進んでおり、品種名そのものも現在では変わりつつあります。

先日の続きに進みたいと思います。

シャトーヌフ・デュ・パープの葡萄品種についてもう一度現況を申し上げますと従来の13種類から現在では18種類の葡萄品種と変わっています。

1. bourboulenc B
2. brun argenté N (localement dénommé vaccarèse)
3. cinsaut N
4. clairette B
5. clairette rose Rs
6. counoise N
7. grenache blanc B
8. grenache gris G
9. grenache N
10. mourvèdre N
11. muscardin N
12. picardan B
13. piquepoul blanc B
14. piquepoul gris G
15. piquepoul noir N
16. roussanne B
17. syrah N
18. terret noir N

先日は 6 のクーノワーズまで申し上げましたが、この品種の起源はスペインにあるらしくスペイン名がこの品種の正式名称となるはずです。そのためでしょうか、今現在VIVCのデータベース、アルファベット順の品種名に COUNOISE の名前はありません。

では7の grenache blanc に移ります。

グルナッシュ・ブランの正式名称はスペイン原産なのでスペイン名になります。

正式名称は GARNACHA BLANCA、ガルナッチャ・ブランカでガルナッチャ・ティンタ(グルナッシュ・ノワール)の突然変異種とされています。

VIVCの分類では品種番号4457、シノニムは19存在します。

次の8 grenache gris はフランス語のシノニムでこのシノニムを名乗る葡萄品種は2つあります。

一つは GARNACHA PELUDA ガルナッチャ・ペルーダですがこれは黒葡萄ですので当て嵌まりません。

もう一方の正式名称 GARNACHA ROJA ガルナッチャ・ローハ(ロージャ)がこの8番に相当する品種のはずです。

VIVCの分類では品種番号4980、シノニムは8つありグルナッシュ・ブラン同様ガルナッチャ・ティンタの突然変異種とされています。

さて本命の品種登場です。

9 grenache N ですが、グルナッシュ・ノワールをシノニムに持つ品種は何と3品種もありますがこの場合 GARNACHA TINTA ガルナッチャ・ティンタが妥当でしょう。


INAOは単にグルナッシュではなく、グルナッシュ・ノワールと記述すべきでしょうね。

スペイン原産のこの品種ですがVIVCの番号は4461、シノニムは何と112も存在します。

フランスではグルナッシュ・ノワール、イタリアではカンノウナウなんて呼ばれていますが正式名称はスペイン原産なのでガルナッチャ・ティンタ。

2004年のデータ からですが、AOCシャトーヌフ・デュ・パープでは何と72%という高い割合で植えられているのです。