Châteauneuf-du-Pape 2000 Domaine du Haut des Terres Blanches
ワインの裏側表側 シャトーヌフ・デュ・パープの赤ワイン、生産者はドメーヌ・デュ・オー・デ・テール・ブランシュと長ったらしい。略してドメーヌ・HT・ブランシュなんかに改名したら人気が出るかも知れません^^

さてINAOではこのアペラシオンにロゼ・ワインは認めていません。赤ワインと白ワインのみ許可していますが葡萄品種規定については赤・白の区別を付けていません。

また葡萄品種の割合に関する規定もありません。

さてアッと驚くのが現在許可されている葡萄品種の数です。

昔の教科書ではたしか13種類の葡萄品種・・・ と書いてあったはずですね。

INAOの現在の規定はこちら 、葡萄品種に関する記述をコピーしますと(第5章 第1条)

Les vins rouges et blancs sont issus des cépages suivants : bourboulenc B, brun argenté N (localement dénommé vaccarèse), cinsaut N, clairette B, clairette rose Rs, counoise N, grenache blanc B, grenache gris G, grenache N, mourvèdre N, muscardin N, picardan B, piquepoul blanc B, piquepoul gris G, piquepoul noir N, roussanne B, syrah N, terret noirN.

ご覧の通りいつの間にか18種類に増えています。

旧来の法律はこちら 、いずれ消えてしまうのでウェブ魚拓を取りました。

以前の葡萄品種規定をコピーしますと

Les vins ayant droit à l'appellation contrôlée " Châteauneuf-du-Pape " devront provenir des cépages suivants à l'exclusion de tous autres : Grenache, Syrah, Mourvèdre, Picpoul, Terret noir, Counoise, Muscardin, Vaccarèse, Picardan, Cinsault, clairette, roussane, bourboulenc.

赤字で表示した13品種だったのですけどね。

さてこちら をご覧下さい。INAOのサイトより遙かに解りやすい「シャトーヌフ・デュ・パープ」の教科書とも云えるサイトです。

こちらでは葡萄品種の数を旧来の13品種とは一応書いてありますが、グルナッシュとピクプールにはそれぞれ赤・白と分かれていることを指摘しています。

葡萄品種の起源とその品種の特定が現在にわかに進んでいます。

従来はご当地葡萄と呼ばれていたものも単なるシノニムと解った例も少なくありません。

正式名称とシノニムについても現在はかなり解明されました。

従って今後フランスやその他各国のワイン法の葡萄品種に関する記述はかなり書き換えられることになりそうです。

それではその18種の葡萄品種につき確認してみましょう。

先ずはbourboulenc B、正式名称ブールブーランで末尾のローマ字は白品種を表す略号とお考え下さい。VIVCによると品種番号は1612、この品種はHEUNISCH WEISS ハウニッシュ・ワイスをその起源としているとのことでシノニムは30存在するとのこと。

フランスのセパージュのサイトではシノニムについて下記のように書かれています。

grosse clairette, malvoisie en Languedoc, doucillon à Cassis dans le département des Bouches du Rhône, borbolenque ou borbolenc

次に brun argenté N は説明の通りご当地では Vaccarèse とのことですが、これが正式名称・ブリュン・アルジャンテ、VIVCの番号は1706の黒葡萄品種。

3番目はご存知 cinsaut N サンソー。これも正式名称で品種番号は2672、シノニムは92あることになってます。

4番目の clairette B ですがクレーレットで始まる葡萄品種は次の通りです。

CLAIRETTE A GROS GRAINS
CLAIRETTE BELDI 3612
CLAIRETTE BLANCHE
CLAIRETTE DE GASCOGNE
CLAIRETTE DE PROVENCE
CLAIRETTE MAZEL
CLAIRETTE POINSEAU
CLAIRETTE ROSE
CLARETE DE BURDEOS

これらの内アペラシオンで定められているのはクレーレット・ブランシュとクレーレット・ロゼ。

INAOでは単に clairette B と表記していますがこれは認識不足でしようね。

正式名称クレーレット・ブランシュのことだと思いますがこのシノニムを見ると38種類の中にブランケット、またブランケット・ド・リムーの名称が載っています。

5番目の clairette rose Rs ですが7つあるシノニムに同じくブランケット・ド・リムーの名前を確認出来ます。

即ち違う品種を同じ品種と混同していたことに他なりませんね。

6番目のクーノワーズは本来VIVCの3210番 で登録されていたのですが現在惚恕としてそのデータは消されてあります。

今現在も葡萄品種の特定はなかなか難しいみたいですね。この品種に関してはある一部の生産者しか使っていないはず。

南ローヌ最強サイトからこちら をご覧下さい。下の方ですがシャトーヌフ・デュ・パープに使われている3大品種についての記述があります。

グルナッシュ、シラー、ムールヴェードルが殆どと云うことはご理解頂きたいと思います。