エルミタージュ・ブランの1990年シャンタルウェット、生産者はM.シャプティエです。
単純な疑問はこの点字ラベルです。シャプティエ社が点字をラベルに盛り込んだのは1995年ヴィンテージのはずですから1990年には点字のラベルがなかったはずであります。
さて、エルミタージュに関するINAOのサイト
をご覧下さい。面積は136ヘクタールと明記されていますが含まれるコミューンは3つあると書いてありますね。即ちDrôme (26)県の : Crozes-Hermitage , Larnage , Tain-l'Hermitage です。
コミューンの下のCartes をご覧下さい、Aire géographique をクリックするとこちらの地図
が現れます。
INAOは何を血迷ったのか、これがアペラシオン・エルミタージュの位置を示す地図だと云うのでしょうか?
これは単に3つのコミューンの範囲を示すものであり、エルミタージュの丘である136ヘクタールの部分の地図ではありません。
先日指摘したモンラッシェ
も同じであり、地図を載せるなら正確なる畑の地図を載せるべきであると考えますが如何でしょうか。
ならば畑の地図はあるのか?
ネット上で見つけたのはこちら
、ジャン・ルイ・シャーヴの所有するエルミタージュの畑の説明の下にアペラシオン・エルミタージュの地図があります。
さてINAOのサイトで現在AOCエルミタージュの原文は見られないのでこちら
をご覧下さい。
INAOのサイトで3つあるコミューンですが原文を見るとコミューンは2つしか書いてませんね、ラルナージュはいつからその範囲になったのでしょうか?
エルミタージュ詳細という地図のコピーらしきモノをネット上で見付けました。こちら
をご覧下さい(一番下にエルミタージュ詳細図があります)。
コミューンの境界線かどうか分かりませんが、一番東の部分はひょっとしてラルナージュのコミューンに属するのかも知れません。
昔からシャプティエを扱っている日本リカーのサイト
を見てみましょう。
ご覧の通りローヌ川沿いに聳える大きな丘が紛れもないエルミタージュの丘であります。画面上方にあるメニューから「ワイン一覧」をクリックするとシャプティエのエルミタージュは4種類載ってますね(他にもあるのですけど)。
で、この白ワインはその上から2番目になり、こちら
に詳しい説明があります。それによると区画は「Le Méal」にあるとのこと、INAOでは2種類葡萄品種は許可されていますがシャプティエ社ではマルサンヌ100%であることなどが分かります。畑の面積はどのくらいあるのでしょうか?
本家シャプティエのサイト
を見ると・・・ 直売もしているようで商売熱心なのは分かりますが。
ダメですね、日本リカーのサイトの方がまだ分かりやすいかも知れません。
で、日本リカー先程の4種類エルミタージュ、3番目と4番目の名称は「Mure de Larnage」になっているので恐らくそれらがラルナージュのコミューンに畑があるのではないかと推測致します。
開けてみましょう。
おやおや、シャプティエのワインならコルクに派手な印字があるはずですが、ヴィンテージもなければシャプティエの文字もない、単にエルミタージュとだけしか印字が無いのは如何なものでしょうか。
ですがグラスに注ぐと大変長いレッグが現れ、強い香りと濃厚なる味わいに熟成途上のエルミタージュ・ブランと確信致しました。
しっかりした酸と強いミネラル、まだまだ熟成に時間が掛かりそうですがお節料理との相性は悪くありません。
でも疑問に残るのはコルクとエチケット。どなたか正規輸入の物を開けられた方いらっしゃったらご教示願います。