「復興庁の幹部がツイッターで暴言」の件 | 霞が関公務員の日常

「復興庁の幹部がツイッターで暴言」の件

 またしてもご無沙汰しておりました。


 5月下旬以降、成長戦略や骨太方針の協議でてんてこ舞いだったもので。
 今日14日に閣議決定されて一段落したので楽になりますが、その分、これまでてんてこ舞いを理由に放置してきた通常業務を進めていかないと。


 ブログの方も再開します。目標は月10回、年100回! ← 無理



 さて、今日、職場でもちきりだった話題は、「復興庁の幹部がツイッターで暴言 」というニュース。

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<復興庁>幹部ツイッター暴言 「左翼クソ」「懸案曖昧に」(2013年6月13日毎日新聞)

 復興庁で福島県の被災者支援を担当する幹部職員が個人のツイッター上で「国家公務員」を名乗り、課題の先送りにより「懸案が一つ解決」と言ったり、職務上関係する国会議員や市民団体を中傷したりするツイートを繰り返していたことが分かった。政府の復興への取り組み姿勢を疑われかねないとして、同庁はこの職員から事情を聴いており、近く処分する方針。

 (中略)

 〇〇氏は今年3月7日、衆院議員会館で市民団体が開いた集会で、同庁側の責任者としてとりまとめ状況を説明。同日「左翼のクソどもから、ひたすら罵声を浴びせられる集会に出席」とツイートした。翌8日には「今日は懸案が一つ解決。正確に言うと、白黒つけずに曖昧なままにしておくことに関係者が同意」と、課題の先送りを歓迎するかのような内容をツイートしていた。(以下略)


 多くの同僚の反応は、愚痴りたくなる気持ちはわかるけど、ツイッターで他人への誹謗中傷を公言するとはバカな奴、というもの。


 「誹謗中傷を公言するバカ」には私も100%同意ですが、それ以前に、こんな誹謗中傷の気持ちを持つこと自体が公務員失格なんじゃないの、よし、それでブログ1本書こうと思い、ネットでこの人のツイート一覧を漁ってみました。


 見つけたのが、togetterの「復興庁○○○○参事官(←実際は実名)の主なツイート 」。
(参事官は「幹部」と表現されるんですね。幹部って言うから局長級かと思ったら、課長級で拍子抜け。参事官なんて部下5人ぐらいしかいない中間管理職ですが…)


 読んでみたところ、全体の印象としては、思っていたのと違って、わりと普通の人だなという印象。

 以前書いた、防衛省沖縄防衛局長の「犯す前に『やらせろ』とは言わない」発言 の人と比べれば、まっとうな感覚の人だと思いました。


 もちろん、ツイッターで誹謗中傷を公言したことには同情の余地はありませんが、同僚や家族相手にしゃべる愚痴としては、まああり得る範囲かな、と。


 本当にこういう誹謗中傷を常に思いながら仕事をしているなら問題ですが、ツイート全体を眺める限り、本心で思っていることよりも悪いセリフで愚痴るのが好きなだけという雰囲気を感じます。


 愚痴としても平均よりはやや口が悪めで、口が悪い方から数えて25%ぐらいかなと思いますが、非常識レベルまでは達していない感じがします。



「おはようございます。今日は、福島県南相馬市まで出張です。地震、津波、原災と大変なところですが、よく現地の生の話を聞きたいと思います」
「NHKスペシャル「除染」放送中。身につまされる……」


余裕のある時にはこういうツイートをしているのを見ると、根は真面目で、忙しくなって心がすさむと、偽悪的に毒を吐いたり、悩みのタネの相手を心の中で攻撃したりして、心のバランスを取る感じの人なのでしょうか。


 そういう人、けっこういますよね。
 根はいい人なのに偽悪的に振る舞いたがる人って、私は何か「もったいないな」と感じてしまいます。


 こういう風にやり玉に上げられることもあるし、それ以前に何だか人として小さく見えて損をするというか。

 「本音」とか言って、聞くに堪えないことを言いたがる人も同様。


 疲れたとき、心がすさんだときこそ、たとえ偽善的に見えようが、理想を高く掲げて心を奮い立たせたり、悩みのタネの相手にも共感したりする、前向きなセリフが自然に出てくるように心がけたいと思っています。


 心の底からそう思うのは難しくても、見かけ上、そう振る舞うよう習慣づけることだけなら技術的に容易ですからね。

 そういう見かけ上の振る舞いの積み重ねこそが、実はその人の本質なのだと思いますし。(←20年近く前に友人Uから聞いた言葉の受け売り。本人の言葉では「永久に偽善者を演じられるなら、そいつは善人」)



 結局のところ、この人の発言そのものが問題なのではなくて、その背景にある、「子ども・被災者支援法」への復興庁の消極姿勢が問題ということなのでしょう。


 この法律をどう考えるかはなかなか難しい問題で、ここで軽々しく言及するのは避けておきます。

 簡単に「○○すればいい」で解決するような単純な問題ではないと思う、とだけ。




 それと、いずれにしても、今回の件の最大の教訓は「ツイッターは怖い」ということ(←何を今さら)。

 もちろん、ツイッターだけじゃなくブログも怖いので、私も気をつけます。