東北電力も夏は計画停電必至 | 霞が関公務員の日常

東北電力も夏は計画停電必至

 悪いニュースを見つけてしまいました。


東北電の計画停電、今夏は必至 被災地でも実施の恐れ(3月31日 朝日新聞)


 東北6県と新潟県を営業エリアとする東北電力の31日現在の供給力は、1100万キロワット程度。震災前の2100万キロワットから大幅に下がった。新仙台(仙台市)、仙台(宮城県七ケ浜町)、原町(福島県南相馬市)の3火力発電所が津波で使えなくなったのが最大の原因だ。

 この日、東北電力は新仙台、仙台の2火力を報道陣に公開した。敷地の標高は3~5メートルだが、津波で1階は大破。タービンを動かす機器も壊れた。敷地には土砂やがれきが山積する。

 原町はさらに厳しく、重油タンクが倒壊し、変圧器もすべて冠水した。東京電力福島第一原発事故の屋内退避圏内で、設備の点検も進まない。3火力の復旧について、海輪社長は「夏までには難しい。見通しは立たない」と話した。

 供給は危機的な状況だが、復興の遅れで30日も需要は930万キロワットにとどまり、今のところ計画停電は避けられている。

 しかし、経済活動が今後徐々に立ち上がるうえ、6月以降は冷房で電力需要が大幅に増える。昨年8月5日のピーク需要は過去最高の1557万キロワット。今年も同じ需要があれば、今の供給力では450万キロワット以上も足りない

 東北電力は、長期停止している東新潟火力(新潟県聖籠町)の1基(35万キロワット)を6月にも再開させる。ただ、7月に運転を始める新潟火力(新潟市)5号機分などを加えても、新たに加わる供給力は56万キロワット。東北全域の企業に生産抑制を要請する可能性について、海輪社長は「あり得る」と述べた。



 総合すると、夏の最大供給力は 1100+56 ≒ 1150万kW、昨年の最大需要は 1550万kW で、1150÷1550 = 74.2%


 東京電力について同種の数字を見ると、夏の最大供給力が 4650万kW と予測されていて、昨年の最大需要は 6000万kW なので、4650÷6000 = 77.5%


 数字上の比較では、東北電力の方が、東京電力よりも条件は悪いことになる。

 (実際には、東北は被災の影響で夏までに需要が戻らないだろうから、東京電力より条件はよいだろうが、厳しいことに変わりはない。)




 これが悪いニュースというのは、東北での停電それ自体もさることながら、東京電力への融通ができないことが確定したから。


 私は、東北電力は火力を夏までに復旧させて、余剰電力を東京電力に融通できると思っていました。


 東京電力は、夏の最大供給力を 4650万、最大需要を昨夏の 6000万 から節電分を引いて 5500万 という予測を発表しています。

 5500万-4650万 の差、850万kWは、1グループの停電では足りず、2グループの停電が必要になる量。


 でも、まだ隠し玉があると思っていて、供給力は東電管内で 5000万まで上積みし、東北電力から 200万ぐらい融通してもらって、5200万まで行けるかと想像していました。


 東北電力からの融通が期待できないとなると、供給力低すぎで、いよいよ厳しいですね。

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 暑い昼間のピークカットで何とかと思うかもしれませんが、ピークはそれほど尖っていません。

 10~18時ぐらいまでは、ピークとあまり変わらない需要があります。


霞が関公務員の日常


 残念ながら、常時1グループの停電はあきらめ、2グループ同時に停電させないことを目標にするしかないかもしれません…。