とりあえず、頭の片隅に入れておく。サブプライム住宅ローン金利。

こりゃ払えない連中がどんどん出てくるだろう。1年で倍・・・借り換え前提のローンか?住宅価格上昇を前提に差し押さえで儲けるつもりだったのか?貸す方が悪いか?借りる方が馬鹿か?米国は自己責任が徹底しているというのが、日本人のイメージだが・・・FRBに助けてくれとは言えないだろう。しかしFRBの監督責任というのも否定は出来ない。とりあえず住宅ローン会社は潰れて、融資した銀行と証券化して売りまくった証券会社はリストラの嵐。その上での個人債務者対策というのが落ち着きどころか?宴と思っていたら、ババ抜きだっただけの話。ある意味では米国的なゲーム・・・最後まで残って大勝を狙って大負けした以上は、払うものを払うのがルール。しかし我々、日本株の投資家までも彼らのゲームに付き合わされていたとは・・・


ジャンク債のスプレッドは428bpこれは頭に入れておく。「銀行は融資債権を自社で抱えることになった」との事だが、「おいおい当たり前だろう、銀行だろう」と言いたくなる。アングロサクソンの連中は何でも証券化して投資家にスルー。ある意味で正常化の一過程だと思うのだが



ブルンバーグ:

米住宅ローンのデフォルト、サブプライム上回るクラスにも波及へ

8月6日(ブルームバーグ):新規株式公開(IPO)の引き受け大手、フリードマン・ビリングス・ラムジー・グループは、米国のサブプライム(信用力の低い個人向け)を上回るクラスに属する住宅ローンのデフォルト(債務不履行)率が、2008年に上昇するとの見方を示した。

同社のアナリスト、マイケル・ヤングブラッド氏は3日付のリポートで、「ALT-A」に分類される住宅ローンに関し、債務不履行に伴う差し押さえが08年5月には同クラス全体の3.92%に拡大すると予想している。07年5月の時点では2.69%(06年5月0.89%)だった。

ウェルズ・ファーゴやインディマック・バンコープ、ワコビア、GMACをはじめとする複数の米金融サービス会社が既に、一部のローンプログラムの縮小や金利引き上げを開始しており、低迷している住宅市場を一段と圧迫している。サブプライム市場での損失が拡大し、住宅ローン市場全体でこれまでの融資基準に関する懸念が強まるなか、新規の住宅ローン担保証券に対する需要は枯渇しており、債権者は融資を抑制している。

サブプライム住宅ローンの金利については、08年5月には14.6%と過去最高水準に上昇する見通しだという。07年5月は12.4%と10年ぶりの高水準、06年5月は6.72%だった。


ブルンバーグ:

大凶作に見舞われるウォール街-LBO「凍結」で恵みの水が途絶える

月6日(ブルームバーグ):レバレッジド・バイアウト(LBO)の活況で1-6月(上期)に過去最高の84億ドル(約9870億円)を関連手数料として得ていたウォール街だが、下期はこの豊かな恵みの流れが途絶え、大凶作に襲われることになりそうだ。

ニューヨークの投資会社クアドラングル・グループの共同創業者スティーブン・ラトナー氏は「ウォール街にとって厳しい時期が来るという結論を否定することは不可能だ」として、「収入と利益に影響があるだろう」と話した。

聖書にある7年間の大凶作を予想するわけではないが、企業買収のペースは6月以来、3分の2以下になった(ブルームバーグ調べ)。米国のサブプライム住宅ローン関連で傷を負った投資家は、リスク回避志向を強め、買収先の資産を担保とするLBO資金調達のための社債や融資への投資を手控え始めている。この傾向が続けば、投資銀行は7-12月(下期)に少なくとも13億ドルの手数料を失うことになる。

上期にLBO向け高リスク融資関連の収入が最も多かったJPモルガン・チェースが、最も大きな打撃を受けそうだ。フリーマンとトムソン・ファイナンシャルのデータによれば、同社は上期にクレディ・スイス・グループとドイツ銀行とともに融資関連で計9億1900万ドルを稼いだ。これら3社はLBO会社へのアドバイスで4億2600万ドル、社債発行関連でも1億9000万ドルを得た。

信用力の低いサブプライム住宅ローンのデフォルト(債務不履行)増は、6月に米証券会社ベアー・スターンズのヘッジファンドを苦境に陥れ、社債相場の下落を引き起こした。JPモルガンやドイツ銀行などは、最大3000億ドルのLBOファイナンスを約束している。

エンジン停止も

UBSのロンドン在勤アナリスト、ダニエル・スティリット氏は「投資家が以前のようなペースで債券や融資債権を買ってくれないため消化不良になっている。銀行は新たに大規模な引き受けを約束するのには慎重になっている」と話す。「LBOを推進していたエンジンが止まってしまう本格的なリスクがある」と同氏は解説した。

ドイツ銀行のアナリスト、マット・スピック氏は7月26日付のリポートで、買収関連などの「高リスクファイナンス」に絡む収入が半減し他の投資銀行事業の収入が10%減少した場合、クレディ・スイスの利益は19%押し下げられるとの試算を示した。

投資会社は上期に過去最高の6160億ドル相当の買収計画を発表した。買収が成功するには、債券や融資債権を購入する投資家を銀行が見つけることが必要になる。LBO会社は通常、買収価格の3分の2を借り入れによって賄う。融資引き受けで銀行が得る手数料は2%前後。

米シティグループのゲーリー・クリッテンデン最高財務責任者(CFO)は7月27日の電話会議で、「プライベートエクイティ(未公開株、PE)投資は当社および業界全体の成長の原動力だった」とした上で、「LBO向け高リスク融資について過去4-6週間に起こったことや、それがPE投資業界全体に及ぼし得る影響について、われわれが予測し事業計画に織り込んでいたと言えば、それは真実とは異なるだろう」と認めた。

環境の変化

最近まで、高利回り資産への需要は高くLBO会社は有利な条件で資金調達が可能だった。しかし環境は変わった。自動車大手のクライスラーとドラッグストア・チェーン、アライアンス・ブーツのLBO向け資金調達は難航し、銀行は融資債権を自社で抱えることになった

ドレクセル・バーナム・ランベールの元最高経営責任者(CEO)でモーガン・ジョゼフのマネジングディレクター、フレデリック・ジョゼフ氏は、高利回り市場の投資家が「『この条件では金を出せない』と言い始めた」結果、「証券会社は債権を自社で抱え込んだ。これを消化するにはしばらくかかるだろう」と述べた。

メリルリンチのデータによると、投資適格級の社債のスプレッド(米国債との利回り格差)は先週、20ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)拡大し128bpとなった。ジャンク(高リスク・高利回り)債91bp拡大428 bpと05年5月以来で最大。

クアドラングルのラトナー氏は「融資市場へのアクセスが非常に限られる時期に入りつつあることは明らかだ」と述べている。

買収ペース鈍化に伴って、銀行は引受手数料ばかりでなく助言手数料も失うと、格付け会社のスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)のアナリスト、リチャード・バーンズ氏は指摘する。「投資銀行の業績がある時点で弱含むことは避けられない。第3四半期の数字に表れるのではないか」と同氏は述べた。