中国、中国、中国。少し前まではデフレを輸出していると言われて、現在はは世界中の資源をがぶ飲みしていると言われている。単に人口が多く、規模が大きいだけだと思うのだが。今や世界の株式市場における投機マネーのバロメーター(もうひとつのバロメーターは円)。上がったり、下がったりするのが株価。しかし日本の投資家は中国株の僅かな下げに恐れおののく毎日。


中国の外貨準備が対米関係維持の目的で米国に流れ込み(究極のロビー活動)、さらに民間の海外投資が解禁される(らしい)。1980年代までは「ジャパンマネー」や「セイホ」の資金が、世界の金融市場に大きな影響を与えたのを思い出した。ただし
中国マネーの動きは政府が徹底的に管理(しようと)するだろう。米国政府との関係維持から米国金利を上昇させる、あるいは自らの輸出への影響を避けるためにドルを極端に下落させる事は当然避けるであろう。かっての日本の円売り・ドル買い介入と同じ様に、貿易黒字で積み上がった外貨準備は米国債を買い続けることにより何とか米国をなだめる。その上で国内の資産価格を維持不可能なまでに上昇させつつある余剰資金を、海外に向かわせるせる事により国内を落ち着かせる。中国国内の株高は今や当局にとってはリスク以外の何ものでもない。天安門は中国当局のトラウマ。違うのは民主化を求める学生ではなく、紙くずになった株券を握りしめた「株民」が暴れだすのだろう。先週土曜日の日経は頭に入れておこう。まあだから株価を下げられないという事でもあるが。完全に市場を開放しておらず、国内投資家メインだから何でもありありだし。とは言ってもかなりやばそう。日本でもバブルの終わりは株式投信で潰れた農協がかなりあったなあ・・・


低金利から中国の外貨準備が日本国債に投資されるとは思われず、また博打好きで2割3割当たり前になれた国内投機マネーが日本株に向かうとも思われない。日本の場合は向かうとしたら土地か企業買収?



結果的に中国マネーは、円安・日本以外の株高加速に寄与?今と同じか・・・気になるのは、中国金融当局者の頭脳は極めてスマートの様だが、はたして海外投資が認められる金融機関は?良く言えば積極的、悪く言えば無茶苦茶にやりそうな気がするが・・・


いずれにせよ新たなマネーの世界金融市場への流入はウェルカムなのだろう。新規資金の流入で金融市場のボラは徐々に低下、時々何かあると一気に上昇。昨年末から4月あたりの相場が定期的に繰り返されるのだろうか?




ロイター:

〔クロスマーケット〕中国マネーに変化の兆し、株式に追い風も日本に恩恵及ばず

東京 25日 ロイター] 米国債投資に偏重していた巨額な中国マネーの流れに変
化の兆しが出ている。中国では、外貨準備運用の一環として米国の投資会社への出資が決
まる一方で、
民間銀行の海外株式投資が解禁された。この先、米国債券を中心とする従来
の低リスク資産からよりハイリスクな資産へのシフトが進むようなら、世界の株式市場に
とっては追い風になる
、との声が早くも聞かれる。ただ、日本の株式市場への活発な流入
は考えにくい、とみられている。

 <3つの政策変更>

 中国は貿易黒字などを通じて、巨額の外貨準備を蓄積してきており、その額は2007
年3月末で1兆2000億ドルを超えた。中国は2005年7月に人民元を切り上げたが
、その後、人民元の上昇は限定的となっており貿易黒字は膨らみ続けている。中国の主要
な貿易相手国である米国は、貿易摩擦で不満を募らせてきていた。
 

5月20日─22日にワシントンで開かれた第2回米中戦略経済対話を前に、中国人民
銀行(中央銀行)は米国からの圧力を事前にかわすように、為替、金利、預金準備率の3
つの政策の同時変更を発表した。
 

為替については、5月22日から対ドル人民元レートの1日の変動幅を基準値プラス・
マイナス0.3%から同0.5%に拡大した。
 また、5月19日から貸出金利を0.18%、預金金利を0.27%引き上げた一方、
6月5日から預金準備率を11.0%から11.5%に引き上げる。いずれも現在の過剰
流動性の是正を目指すものだが、その効果についてはいまだ不透明だ。

 第2回米中戦略経済対話自体も、為替改革の面で進展がないまま終了した。米下院歳入
委員会は23日、第2回米中戦略経済対話終了後に連邦議会を訪れた中国の呉儀副首相(
通商担当)に対し、中国は輸出を増やすため、自国通貨を操作することによって国際的な
通商ルールを無視しているとの見解を伝えている。

 みずほ総研アジア調査部中国室のシニアエコノミスト、鈴木貴元氏は、今回の政策変更
について、利上げペースの加速で、中小企業や家計への配慮が減り、銀行収益の90%を
占める貸出利ざやを犠牲にしても引き締めを行う覚悟
が示されたと一定の評価をしている
。半面、
実質預金金利は依然としてゼロ近辺で強い引き締め効果は期待しにくいとの見方
だ。「今回の金融政策は景気過熱とバブル対策に一歩踏み込んだものだったが、一時的な
アナウンスメント効果で終わる可能性が高い
」(鈴木氏)という。

 5月25日午前の人民元 の基準値は1米ドル=7.6523元となり、切り
上げ後の最高値を更新した。しかし「基準値」に対する変動幅は小さく、0.5%にまで
幅を拡大した効果はみられない。

 <
資産多様化に動き出す

 金利政策の変更でも大きな効果が期待できない中、中国は米国などからの不満の矛先を
かわすように、別の手法を打ち出した。米有力投資会社ブラックストーン・グループ
に対する30億ドルの出資だ。出資の発表を受けて、市場では中国が次に出資する米企
業に関して憶測が飛び交うなど、中国マネーのハイリスク資産への投資先に急速に注目が
集まっている。

 RANDのアジア太平洋政策センターのディレクター、ウィリアム・オーバーホルト氏
は「中国は、優良ブランドの獲得を望んでいる」としている。同氏は、中国のコンピュー
ター会社レノボ・グループ(連想集団)が米IBMのパソコン事業を12億5000万ド
ルで取得した2005年の事例を指摘。「IBMの事例は中国が好む代表的な存在」と述
べている。

 別の一手は、
中国の銀行に対する海外株式投資の解禁だ。中国の銀行監督当局は5月1
1日、適格国内機関投資家(QDII)制度の下で初めて、
商業銀行に顧客資金の海外株
式投資を認可すると発表した。
 商業銀行はこれまで、顧客資金の海外投資先を固定利付き商品に限定されていた。その
ためなかなか関心が盛り上がらず、中国の国際収支黒字削減の方策としてのQDIIの活
用が進んでいなかった。これを受けて、結果的に預金を通じて個人マネーが多様な投資先
に向かうことも可能となる。

 <規模のインパクト>

 第一生命経済研究所の主席エコノミスト、嶌峰義清氏は、
中国マネーについて規模のイ
ンパクト
を指摘する。今回のブラックストーン・グループへの出資のような事例が継続す
れば、多額の中国マネーが米国債券からハイリスク資産にシフトし、米金利押し下げ圧力
の緩和につながるとのシナリオが描けるという。中国マネーがリスク資産に一段と目を向
ければ株式にとって追い風となる。

 ただ、嶌峰氏は「米国経済がこのまま堅調に推移すれば、結局、中国の対米貿易黒字は
増え続けて、新たな中国マネーが米債券市場に流入することになり、低リスク資産とハイ
リスク資産間でのアロケーション比率に大きな変化はないのかもしれない」と述べている。

 一方、株式市場に中国マネーが入る局面でも、日本株にすぐその恩恵があるとは考えづ
らい。「海外投資家にとって、日本株には出遅れ感あるが、レンジ内でのもみあいに終始
しモメンタムに乏しい。中国マネーにとっても、投資先として最優先させる資産にはなら
ないだろう」(国内投信ファンドマネジャー)と、冷ややかな声が出ている。


5月26日付日経:

中国株売買、日本上回る、4月、上海+深センで6400億ドル、過熱感、一段と

【上海=張勇祥】中国の株式市場が一段と過熱している。国際取引所連盟(WFE)の集計によると、上海、深〓の両証券取引所の四月の合計売買代金が六千四百五十三億ドルと、日本市場(東京、大阪証券取引所の合計、五千百二十四億ドル)を初めて上回った。五月も同様の傾向が続く。中国の株式バブル崩壊への懸念からアジアの株価が軒並み下げるのをよそに、二十五日も上海総合指数は過去最高値を二日ぶりに更新した。
 中国の売買代金は昨年十月まで月間一千億ドル前後で推移していたが、以降急増。横ばいで推移する日本を一気に抜いた。
 中国株の時価総額は十八兆元(約二百八十四兆円)と東証のほぼ半分。売買代金が日本を上回った背景には市場参加者のすそ野が急激に広がっていることがある。
 上海の主要証券会社では年明けから口座開設を求める顧客の列が増えた
 二十四日時点で株式、投資信託の口座数は九千九百万と、昨年初に比べ三割強増加、一億口座に迫るまでになった
■貯蓄崩し株購入
 中国では株式投資家は「株民」と呼ばれる。急増する株民が、どれだけリスクを理解して投資しているかは疑問だ。中国人民銀行のまとめでは四月末の
国民の貯蓄額が前月に比べ千六百七十四億元(約二兆六千五百億円)減少。資金の多くが株式市場に流れ込んだとみられ、新聞などで話題になっている。
 株式市場の監督などを受け持つ中国証券監督管理委員会も懸念を強めつつある。今月中旬には証券会社などに投資家教育を強化するよう求める異例の通知の中で、「投
資家が住宅を担保に借り入れた資金を株購入に回している」などと指摘。日本のバブル期に似た行動も広がる。
■不法行為など懸念
 業績不振会社の株価まで軒並み上昇する過熱相場が続く中で、本来は
株式投資が禁じられている農村金融機関や住宅補修基金などが、株式に資金を流用しているとの疑惑も注目されている。買い推奨リポートを執筆したアナリストが当該株式を購入した疑いが持ち上がるなど、不法行為も連日のように報じられる。
 株価水準を示すPER(株価収益率)は四十倍前後で、先進国(十五―二十倍)に比べ割高。水準については議論もあるが、「
株価が大幅に下がれば社会不安が生じかねない」(クレディ・スイスのアジア担当エコノミスト、陶冬氏)というような危うさが日に日に高まる。