資生堂が環境に配慮した容器の導入を広げるとあります。


シャンプー・リンスの主力商品にポリエチレン容器を採用、
化粧品では外箱や説明書を非木材紙「バガス」に切り替えるとあります。


シャンプーやリンスは、入れ物より中身の成分の方が環境に良いのか、
問題になると思うのですが、非木材紙「バガス」を採用という記事に目がいきました。


Gentie System Service Blog


2011.7.27日経新聞より


資生堂が幾種類かある非木材紙から「バガス」を選んだ理由は分かりませんが、
「バガス」という言葉は、印刷業界では知られている言葉で、
「ケナフ」同様、非木材紙としては、定番になっている紙です。

ティッシュペーパーや紙ナプキンとしても使われているようです。


サトウキビから糖汁を搾った後に残るカスのことを「バガス」と言うらしく、
茎や葉など大量の残渣(搾りカス)なので、捨てるだけのものを利用するのだから、
環境に良いということになります。


こう書くと、資生堂は素晴らしい取組をしているで終わってしまいますが、
「バガス」の紙とは言わず、非木材紙は、印刷が比較的難しく、
簡単に「バガス」を採用するなんて言えないのが現実です。


資生堂のホームページを見ると、「品質やコスト面での課題を解決」とあるので、
いくつもの問題をクリアしてきたものと思えます。


非木材紙は当然、森林資源を守ることにつながり、環境に良いことは確かです。
しかし、資生堂はどのようにクリアしたのか分かりませんが、一般的には、
仕事の効率が悪く、その分のコストが価格に反映される紙と言えます。


あまり知られていませんが、今年は国連の定める「国際森林年」です。
日本では森林を守るというより、森林が活用されていない、手つかずの
状態になって放置されていることが問題となっています。


食糧と同様に自給率が低く、自給率を上げるためのプランがでています。
ということは、森林伐採して、木材を活用した方が良いということです。


震災の影響で、印刷用紙は9月から値上がりになります。
理由は、各種燃料価格の上昇です。


日本で使われている紙は、パルプの原料となるチップのほとんどを海外からの輸入に頼っています。
そうであれば、国産の木材を使えば輸送コストも少なく
紙が安くなるのではないかと考えてしまいがちですが、
伐採、採集、集荷や工場までの運搬という全行程のコストを計算すると、
海外からチップを輸入する方が安いのだそうです。


理由としては、日本の森林の地形条件なのですが、ここでは詳細を省きます。
だから日本の森林は放置されているらしいのです。


「国際森林年」の今年、日本の林業の再生、木材自給率を上げる活動が始まりました。
海外にチップをほとんど頼る体制は、食糧と同じく、将来危険だと思います。


食料はなくては生きていけません。
紙はどうでしょうか?紙がなくてもやっていける時代が来るのでしょうか?
木材自給率を上げる活動が、国産チップからの紙の生産につながってほしいと思います。